中途採用で、楽天グループ(以下「楽天」)に転職したい、と考えている方は多いかと思います。「楽天市場」や「楽天トラベル」を展開する、知名度抜群の有名企業ですね。
このページでは、楽天への転職について、どうしたら正確な情報を得られるか、そのうえで転職したいと思ったらどう対処すべきか、現役エージェントの知見から、楽天への転職について触れたいと思います。
ちゅうちゅう

新卒向けの内容は省き、完全に転職者・中途入社社員に特化した内容です。読んで損はないはずです。

リアルリアル

(楽天。うおォンうおォン。)

楽天の転職難易度は比較的高いと言えます。求人自体は幅広く継続的に出ており、数も少なくはありません。ただ、未経験でも応募可能な求人は少数で、求められるスキルレベルも高いです。dodaの「転職人気企業ランキング2023<総合>」でも第4位にランクインするなど転職者に高い人気を誇っており、求人倍率も相当なものになるでしょう。
また、楽天は社内公用語を英語化しており、職種によってはTOEIC800点以上が必須です。英語力がない場合、転職は厳しいと言えるかもしれません。逆に、留学経験や海外で働いたことがある場合は楽天への転職に有利と言えます。

2.楽天への転職についての所見まとめ

次章以降で詳細について触れますが、楽天への転職についての所見をまとめます。

転職を考える際、押さえるべき楽天の特徴

  • 日本最大級のネットショッピング「楽天市場」を運営する大手IT企業。
  • 若い人が多く実力主義。
  • 朝昼晩と無料で食べられるカフェがある。
  • 募集中の職種は細分化されており、営業、企画・管理、技術職と幅広い。
  • 職種により差はあるが、最低限の英語力は必要。
  • 残業時間は部署によりかなり差がある。
  • 年二回の考課タイミングでランクアップすれば、大幅な年収アップも可能。

楽天へ転職するために、押さえておくべきポイント

  • 配属先の部署により、激務かそうでないかにかなり違いがあるため注意が必要。
  • 一般に公開されていない求人を知るためにも、転職エージェントを使うのがおすすめ。

3.楽天ってどんな会社?

項目 内容
会社名 楽天グループ株式会社
代表者 三木谷 浩史
本社所在地 東京都世田谷区玉川一丁目14番1号 楽天クリムゾンハウス
創立 1997年2月7日
資本金 444,945百万円(2023年6月30日現在)
主な事業内容 Eコマース、フィンテック、デジタルコンテンツ、通信など様々なサービスを国内外で展開。
従業員数 単体:8,409名 連結:32,079名(2022年12月31日現在)

事業内容

楽天グループ株式会社(2021年に社名変更)は国内外において、主に以下のような事業を行っています。
  • Eコマース、トラベル、デジタルコンテンツなどのインターネットサービス
  • クレジットカード、銀行、証券、電子マネー、スマホアプリ決済といったフィンテック(金融)サービス
  • 携帯キャリア事業などのモバイルサービス
  • プロスポーツ
みなさんも目にする機会が多い「楽天市場」は日本最大級のネットショッピングモールで、約1億人を超える楽天会員数がいます。この楽天会員を中心としたメンバーシップを軸に、多岐に渡るサービスを有機的に結び付けることで、他にはない独自の「楽天エコシステム(経済圏)」を形成しています。今後、グローバルでも「楽天エコシステム」の拡大を進めるとしています。

今後の事業展開

2030年までに国内EC流通総額を10兆円超まで拡大し、営業利益率20%超をめざす方針を打ち出しています。その実現に向けて、データサイエンスや人工知能などの「テクノロジー」、7か国10都市の開発拠点・6,000人以上の多国籍エンジニアの「タレント」、「サステナビリティ」を強化することを表明しています。
その他、楽天モバイル・楽天シンフォニー(通信プラットフォーム事業の一環)の大幅黒字化も目標としています。

海外展開

これまで楽天の越境EC・海外販売支援の柱となっていたのが、次の3つのサービスです。
  1. Rakuten Global Market(楽天グローバルマーケット)
  2. 海外パートナー旗艦店
  3. 楽天グローバルエクスプレス
このうち、「楽天グローバルマーケット」は2020年6月にサービスを終了しました。海外モールと楽天が戦略提携して国内の商品を販売する「海外パートナー旗艦店」事業の成長性が高い為、今後はこのサービスの拡大に注力するとしています。現在、中国や台湾の大手ECモールに出店しており、さらに越境ECを強化していく予定です。

4.楽天の現役社員・元社員からの評判は?(口コミ)

楽天の口コミや内部情報について、転職口コミサイトのOpenWorkenライトハウス転職会議キャリコネを参考に紹介します。新卒入社と中途入社では当然差があることを踏まえ、中途入社した人のみの内部情報です。
項目 コメント
給与・福利厚生
  • マネージャーより下の職位は、月40時間程度の見なし残業つきの給与。
  • 開発系は高めで、グループマネージャーで年収1,000万円くらい。
  • 役職と給与は連動しておらず、ランクによって年収が決まってくる。
  • 昇格にはTOEICのスコア800点以上が必要。
  • カフェテリアでは朝昼晩無料で食べることができ、食費がかからない。
ワークライフバランス
  • 思った以上にホワイトで、ワークライフバランスは取りやすい。
  • 外国人社員が多い部署は長期休暇を取りやすい雰囲気。
  • 男性の育児休暇取得率が高い。
  • 部署によっては残業がかなり多い。
社風
  • トップダウンのスピード感がある社風。
  • 七夕、ハロウィンなど季節のイベントがある。
  • 若い人が多く、明るく元気な雰囲気。
  • 外国人社員が多く多文化で、意見が通りやすい。
成長機会・キャリア開発
  • 前向きで協力的、やる気に溢れた人が多いので、刺激を受ける。
  • やる気があれば裁量を与えられ、大いに成長できる。
  • 英語力を磨きたい人には良い環境。
  • 資格取得を支援する制度がある。
入社後のギャップ
  • 年功序列の大企業のような雰囲気がある。
  • 思ったより落ち着いた安定感のある社風。
  • 担当業務によっては英語が得意でない社員もいる。
  • 対面でのコミュニケーションを重視している。
退職検討理由
  • トップダウンの社風に飽き飽きとした為。
  • 社員の流動性が高く、目標とする先輩が居なくなった。
  • テレワーク出来ないから。
  • 英語力だけで他のスキルがない社員にがっかりした。
ワークスタイル
  • コアタイムありのフレックスタイム制が導入されている。
  • 東京本社などでは原則週4日出社、1日在宅勤務。
  • 様々な理由でリモートワークを申請することは可能。
  • フレックス、リモートワークは部署毎のローカルルールで運用されている。

給与・福利厚生

ランクによって年収が決まる為、昇格しなければ年収は横ばいとなるようです。逆に言えば、結果を出せばどんどん給与が上がっていく仕組みです。ただ昇格にはTOEICのスコア800点以上が必須であり、TOEICを受けるつもりがないなら入社しない方が良いという口コミがありました。TOEICに関する口コミは多くあり、スコアによって与えられる仕事が全く違うという声もありました。
福利厚生は本社と支社でかなりの違いがあるようです。本社の場合、カフェ、コンビニ、針治療、ジム、美容院などが社内にあるとのことです。

ワークライフバランス

部署による違いはありますが、ワークライフバランスは取りやすいという意見が多かったです。自分自身で仕事の調整が出来、早帰りなどもしやすい雰囲気のようです。繁忙期以外は、基本的に残業は少ないという口コミもありました。
また全社的に出社が求められるため、リモートワーク希望の人は注意が必要です。

社風

多様性が重視されており、性別・国籍・宗教などでの差別はないという意見がありました。外国籍の社員が多く、一般的な日本企業と比べて多種多様な人材が集まっているようです。 挑戦を歓迎するカルチャーがあり、縁の下の力持ち的な仕事は評価されにくいという意見もありました。
その他、全社的な研修も基本英語で行われるので、英語が話せない人は肩身が狭い思いをすることがあるようです。

成長機会・キャリア開発

本人のキャリア希望を尊重し、今のままでは希望が叶えられない場合は、部署異動や他社への転職も応援する風土があるようです。また、プロジェクトのスパンが短い為、自分の携わったサービスが公開された時の達成感を得る機会が比較的多いという意見がありました。
中途と新卒のバランスが程よく、様々な業界知見も持った人と働ける為、柔軟な人には成長機会は多いという声もありました。

入社後のギャップ

実力主義で厳しい環境なのかと思って入社したが、会社の考え方やコンピテンシーについては研修もあり、人を育てることにも注力していて驚いたという意見がありました。また、外国人社員が多くグローバルな印象を受けますが、日本企業的な部分も結構多いようです。
その他、全ての部署が英語を使用するわけではないようなので、英語を使って仕事をしたい場合は面接時に確認したほうがよいでしょう。

退職検討理由

トップダウンの文化が嫌だったという意見が多くありました。楽天は、カリスマ的存在である三木谷氏の意見が重視される傾向にあるようです。また、長期的なキャリアを描きにくいという声もありました。
その他、会社に不満はなかったが、他にやりたいことが見つかり自分で会社を立ち上げるために退職した、というポジティブな退職理由も多くありました。

ワークスタイル

新型コロナの感染状況が落ち着いてきたところで、全社ルールで原則週4日出社となりましたが、部署によってはリモートワークを容認しているようです。また、突発的な子供の体調不良、介護、妊娠、不妊治療等でもリモートワークの申請が可能だという口コミがありました。
上長の承認が得られれば、時短勤務やリモートワークにもフレキシブルに対応できるので、多様な働き方ができるようです。
ちゅうちゅう

ワークライフバランスは取りやすい会社のようですね。昇格にはTOEICのスコア800点以上が必須のようです。

リアルリアル

(考えるな。感じるんだ。)

5.楽天は、転職者に対してどんな人材を求めている?

募集職種

募集のほとんどが細分化されており、エンジニアでもアプリケーションエンジニアやデータサイエンティストなど様々な職種があります。また、例えば人事であれば「グループ人事統括部 労務企画部 人事オペレーション課」のように、所属先も明確です。

求める人材

楽天採用ページには、トップメッセージとして以下が記されています。

『楽天では創業当時からアントレプレナーシップ(起業家精神)の醸成・活性化を大切にしています。企業内においても、一から新しい事業を立ち上げるという風土を作っていくことが従業員の成長につながり、企業の競争力を高めていくものと考えています。』

『楽天は、「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」という企業理念を掲げ、「グローバル イノベーション カンパニー」として、世界基準の革新的なサービスを生み出していくことを目指しています。その実現に向けて、イノベーションとオペレーション力の強い組織をつくっていくために、楽天グループの行動指針として「楽天主義」を掲げ、従業員の間で共有するようにしています。』

このメッセージから
  • 起業家精神を持ち、さらに活性化できる人材
  • 楽天グループの行動指針である「楽天主義」に共感し、実行することができる人材
  • 何が何でも物事を達成するという強い決意をもち、プロフェッショナルとしてやり抜く力を持つ人材
を求めていると考えられます。
野心を持ち、周囲が驚くような何か新しいことをやり遂げたい、楽天の価値観に共感でき実現したい、という方に向いている会社だと思われます。また、楽天の採用ページには社員のインタビューや社内の制度などが詳しく載っており、転職へのヒントを与えてくれると思います。社員インタビューはさすがに国際色豊かな顔ぶれとなっており、楽天らしさを感じられることでしょう。
どこの部署の社員が、日頃何を考え、どのように仕事に取り組んでいるのか、人間性も含め感じることができるでしょう。あなたが興味のある事業に取り組む社員の方の意見は、書類・面接対策においても必ず目を通しておきましょう。

給料(年収)

平均年間給与:756万円 (2023年現在)
平均年齢:34.4歳(2023年現在)
平均勤続年数:4.6年(2023年現在)

労働時間

平均残業時間:29~38時間/月
部署によって残業時間にかなり違いがあるようです。残業がほぼ皆無という人もいれば、休日でも連絡が来れば仕事をせざるを得ないという人もいるようです。特に営業系は労働時間が多いという意見がありました。ただ、外国人スタッフが増えてからは、残業や休暇の問題が減ってきているという口コミもありました。
特別な理由がないと週4日出社する必要があるので、理由がなくてもリモートワークを選べるようにしてほしいという意見も目立ちました。
ちゅうちゅう

幅広いポジションで募集があるようです。また、起業家精神を持つ積極的な人材を求めているようですね。

リアルリアル

(いいじゃないか。)

6.楽天の求人情報にはどんな傾向がある?

転職サイトを各種調べたところ、営業、企画・管理、技術職など様々な職種の求人がありました。その求人を調べると、以下の傾向があります。
  • 人事・経理などの管理部門やエンジニアの募集が多い。
  • 英語力が問われる求人が多いが、程度は様々。
  • 経験年数までは問われない求人が多い。
ポジション毎の募集が多いですが、オープンポジションやポテンシャル採用の募集もありました。職種によっては入社時に英語力がなくても大丈夫ですが、入社後2年以内にTOEIC800点取得を義務付けられており、達成できない場合は月額給与を10%減額するとありました。楽天で活躍したいなら、やはり英語力は必要となってくると言えます。
ただ、これはあくまで一般に公開されている求人であり、非公開の求人というものがある可能性があります。
例えば、転職エージェントのdodaの場合、非公開求人が公開求人の3倍以上の規模に上るため、doda非公開求人の方には他の技術系・事務系職種も含まれている可能性があります。
ちゅうちゅう

幅広い職種で募集があるようですが、隠れ求人の存在は気になるところです。

リアルリアル

(いわゆる裏メニューってやつか。悪くない。)

7.楽天の選考対策

楽天の選考ステップや経験者の口コミについて、転職口コミサイトのワンキャリアプラスOpenWorkを参考に紹介します。
楽天の面接では、転職にあたって何を重視するか、変化を楽しめるか、楽天主義に共感できるか等を見られているようです。職種によってはTOEICのスコアが必要で、5年以内に600以上のスコアを持っていない場合は受験が必要となります。
楽天主義に関する口コミは多く、「三木谷氏の著書を読んでから面接を受けて正解だった」「楽天主義に共感していることをアピールするべき」などの声がありました。
楽天には独自のカルチャーがあり、楽天マインドを理解し共感する人を求めています。面接を通過し内定を勝ち取る為にも、企業研究はしっかりと行いましょう。

選考ステップ

楽天の選考ステップは主に以下のように進みますが、職種により省かれるステップもあります。詳細に見ていきましょう。
  1. 応募・書類選考

  2. 1次面接

  3. Webテスト(SPI)

  4. 2次面接

  5. TOEICテスト

  6. 最終面接

応募・書類選考

楽天に応募するには、大まかに3つの方法があります。
  1. 公式サイトから直接自分で応募する。
  2. 転職サイトや転職エージェント経由で応募する。
  3. 既に楽天で働いている友人・知人に紹介してもらう。
口コミサイトを確認する限り、転職エージェント経由で応募している方が多いようです。公式サイトからの応募は、書類選考を突破するのが難しいかもしれません。一般的に、書類選考の通過率は平均で約3割と言われています。楽天のような人気企業の場合、書類選考の通過率はもっと低い数字となるでしょう。
初めての転職だった場合、自分の能力を最大限アピールできるような職務経歴書の作成は難しいかもしれませんね。転職エージェント経由であれば書類の添削等があるので、積極的に利用したほうが有利です。
楽天はリファラル採用も行っているので、楽天に友人・知人がいる場合はこちらを利用するのも良いでしょう。一度に3ポジションまで応募できます。

1次面接 

オンラインや直接対面で行われます。志望理由、転職にあたって重視すること、これまでの職務経験等について聞かれるようです。その他、自分の強み・弱み、楽天のサービスで気になるサービスはあるか等聞かれたという口コミがありました。

Webテスト(SPI)

WebでSPI(言語、非言語、性格検査)が行われるようです。職種によってはWebテストがないようで、例えば営業ではWebテストを受けたという口コミが見当たりませんでした。SPI対策は市販の書籍等で充分対応できると思いますので、一度目を通しておくとよいでしょう。

2次面接

2次面接がない職種もあるようです。聞かれる内容は1次面接と似たような内容で、なぜ転職を考えているのか、これまでどのような成果を出してきたのか、これまでの経験を楽天でどう活かせるのか等が質問されるようです。
また、職種によってはリファレンスチェックがあります。リファレンスチェックとは、選考を受けている候補者のことをよく知る第三者に、その人の働きぶりや周りから見た人物像について企業が問い合わせることです。

TOEICテスト

職種によっては、TOEIC IPテストをオンライン、または会場で受験するようです。オンラインのIPテストは通常より問題数が少なく、約1時間で終わります。5年以内に600以上のスコアを持っていれば受験不要という口コミがありました。
公開テストもIPテストも問題形式は変わりません。通常のTOEIC対策をしておきましょう。転職活動を本格化させる前の時間があるうちに、公開テストを受けてスコアを出しておくのも良いですね。

最終面接

最終面接では、転職活動を始めた理由、転職後どのように成長したいか、ECについて楽天の強みは何だと考えるか等を聞かれるようです。社会人経験が浅い場合では、学生時代の研究内容について質問されたという口コミもありました。
面接の雰囲気ですが、少しピリピリとしていたという声や、終始和やかでどの面談もカジュアルであった等、様々な意見がありました。組織が大きい為、部署や職種によって面接の雰囲気が異なると考えた方が良さそうです。

選考の口コミ

法人営業

楽天の競合にあたる企業(Yahoo、Amazon等)については調べておいた方がよいと思います。また自主的に動けるかという点も見られていると思いました。

デジタルマーケティング

楽天の社風・マインドに対する理解はしておくべきと思います。また、関連するようなエピソードを準備しておいた方が良いです。 

Webプロデューサー・ディレクター

楽天のカルチャー理解は必要です。入社後のギャップに驚かないためにも、評価制度等はググっておくほうがいいでしょう。また職務履歴書のロジカルな棚卸しはどの会社でもそうですが必要だと思います。

人材開発・人材育成・研修

「楽天主義」の内容や、(ある種その実践例である)社員インタビューなどを読むことで、自分が「楽天主義」を実践していくことを楽しく思えそうかどうかはいちど考えてもよいように思う。(無理やり自分を捻じ曲げて寄せていくというよりは、自分にマッチするか事前に判断する)

楽天は扱うサービスも幅広く、募集ポジションも多岐に渡ります。面接も一括りにこうであるとは言えませんが、面接官が高圧的であったり、答えにくい質問が出たりするわけではないようです。転職理由や職務経験の深掘りなど一般的な面接対策を行えば問題ないと思われます。
楽天のカルチャーを今一度確認して、自分が転職先に求めるものと相違ないか見定めましょう。

8.楽天への転職を成功させるには?

ここまで読んで、楽天への転職意欲は高まりましたか?

楽天に転職する方法で一番おすすめしたいのは、転職エージェントの活用です。

※転職エージェントとは?
「エージェント」というのは、いわゆる「代理人」です。転職エージェントは、転職希望者と中途採用の求人を出している企業とをつなげるのが役割です。転職エージェントは、採用が成功した場合に企業から手数料がもらえるので、転職希望者からはお金をもらいません。そのため無料で利用できるサービスです。これらのサービスは、サイト上で登録をすると転職エージェントの方から面談の誘いがメールで来ます。そのうえで日程を調整してその転職エージェントの企業に訪問し、面談を行います。面談では、「具体的に転職を考えているのか」「なぜ今の会社を辞めようと思っているのか」「どういった会社に移りたいと思っているのか」というような質問があり、それに答えていくかたちになります。転職エージェントに登録する転職希望者は、「一刻も早く転職したい」という人もいれば、「特にまだ転職は考えていないが、良い求人があれば転職したい」など様々な思いを抱いています。そのため、面談で「具体的に転職を考えているのか」という質問に対して、「今は情報収集している段階です。」と答えても、まずイヤな顔はされないと思って大丈夫です。
では、楽天に転職する場合に転職エージェントを活用すべき理由ですが、以下4点です。
  • 一般には公開されていない、楽天の求人情報について入手できる可能性がある。
  • 書類選考・面接について、楽天に特化した対策を行ってもらえる。
  • 年収など、求人企業との待遇面の交渉について代行してもらえる。
  • 転職後に実際に配属される部署の実態について、詳しい情報を教えてもらえる。

一般には公開されていない、楽天の求人情報について入手できる可能性がある。

例えばdodaの場合、サイト上で公開されている求人の3倍以上もの非公開求人を取り扱っています。

※転職エージェントはなぜ全ての求人を公開しないのか?
転職エージェントは全ての求人を公開しない、というよりは公開できないのです。これはなぜかと言うと、企業は人ありきとよく言われますが、あくまでビジネスあってこその人と言うこともできます。要するに、既存ビジネスの強化・新規ビジネスの創出を行うために人が必要なのです。そのため、特に新規ビジネスについては、開始する前、もしくは開始して間もなくは他社にそのことを知られたくありません。中途採用の募集を行ううえでも、自社のサイトはもちろん、転職サイトにもその情報を載せたくないのです。そうすると、転職エージェントにそのような中途採用求人が集まることになります。なぜ転職エージェントなのかと言うと、転職希望者個人と対面する必要があり、情報をオープンにする必要が無いからです。ちなみに、公開されている求人と比べて、戦略的な採用という色が濃いため年収やポジションも好条件のものが多いのが一般的です。
転職エージェントの大手であればあるほど、楽天の非公開求人も取り扱っています。
あなたのような転職希望者の適性に応じて提示してくれますし、適性に合う求人が無い場合でも、楽天に対して適性に合う求人が無いか、あなたを売り込みに行ってくれることもあります。
そのため、楽天のサイトや転職サイト・転職エージェントのサイト上の求人を見て、自分に合う求人が無い場合には、非公開で取り扱いが無いか、転職エージェントに尋ねてみることをおすすめします。

書類選考・面接について、楽天に特化した対策を行ってもらえる。

転職エージェントは、過去に多くの転職希望者の転職を実現させているため、転職人気企業であればあるほど、その機会に多く携わっています。そのため、選考スタイルや選考プロセスについて熟知しており、ノウハウが豊富です。

どんな人なら受かって、どんな人なら落ちてしまうのか。面接でどういう質問がされ、それにどう答えれば受かり、落ちる場合は答え方がまずかったのか、答える内容自体が間違っていたのか。そのような過去実績に基づく膨大なデータを保有しています。
その根拠データやノウハウを用いて、楽天の書類選考を突破するために、職務経歴書上でどんな内容をどんな風にアピールした方が良いのか、面接の段階では想定される複数の質問に対して、どう答えた方が良いのか、サポートしてもらえます
さらに、面接担当者にはどんな傾向があるのか(結論から論理立てて話すようにしないと、60分の面接でも30分で終わってしまうなど。。)、求人情報ではまず触れられるはずのない情報も持っているため、転職サイトや企業サイトから応募するよりも圧倒的に有利に進められます。
なお、これは意外だと思いますが、このように転職エージェントは転職人気企業ほどパイプが太いため、仮に採用企業側が面接であなたを落とすと判断した場合でも、掛け合ってくれて通過させてくれることもあったりします
基本的に、面接については終了後に転職エージェントに「面接終了しました。」と電話連絡を入れるステップがあります。その際、「おつかれさまでした。面接はいかがでした?」と面接の苦労を労ってもらえるとともに、「うまく答えられなかった質問はありましたか?」など丁寧にフォローを入れてくれます。その内容をもって、転職エージェントはあなたの代理となり、その後採用企業側にフォローを入れてくれるのです。
ただ、全ての転職エージェントがそういった対応を行ってくれるわけではありません。転職エージェントは良いところだけを選ぶようにしましょう

年収など、求人企業との待遇面の交渉について代行してもらえる。

転職するうえで、重要なものの1つは年収でないでしょうか。 年収については、残業の有無と同様に面接で質問することは難しいと思います。

「年収〇万円以上」「年収〇万円~〇万円」という求人情報がほとんどですが、転職エージェントは、転職希望者の適性と過去の転職成功者の適正をマッチングして、「この人なら年収〇万円だろう」などとあたりをつけます。そのうえで、最終面接、もしくはその後に企業から実際の金額について転職エージェントに連絡が入ります。
その段階で、前もってあなたが事前に伝えていた金額よりも低ければ企業側と交渉してくれます。さらに、もしあなたが事前に伝えていた額と同等であった場合でも、それより高くならないか、掛け合ってくれるのです。
これは直接応募ではまず不可能なことだと思うので、転職エージェントに頼りましょう。

転職後に実際に配属される部署の実態について、詳しい情報を教えてもらえる。

これまで見ていただいたとおり、会社自体の情報は事前に仕入れることができても、実際に配属される部署についての情報を仕入れることは不可能に近い、というか不可能でしょう。

一緒に働くうえで、その部署の上司・同僚のタイプや新卒中途・男女の比率、他の関連部署との力関係、会社の中での位置づけなど、事前に知っておくことに越したことはありません。転職エージェントはそういった情報も保有していますので、気になることはどんどん聞いてみましょう。
併せて、気になった会社については、いろいろ悪い口コミ情報などもネットなどで見かけることがあるでしょう。そういった口コミ情報が正しいのか、間違っているのかについても、聞いてみるのが良いでしょう。
ちゅうちゅう

そもそも自分に合った会社なのか、合う場合、受かるためにどうしたら良いか、転職エージェントを味方につけるのが効率的ですね。

リアルリアル

(う~ん、そうきたか。)

9.楽天への転職で、おすすめの転職エージェントは?

転職エージェントは有名な会社だけでも10社近くあります。
実際相手にする担当者との相性含め、当たり外れが多いのが実際のところです。登録や面談の手間、日ごろの電話・メール対応も考えると、どの転職エージェントと付き合うかについては、失敗は許されないと言っても過言ではありません。
楽天に転職するために登録すべき転職エージェントを、以下の観点で選びました。
  • 楽天の求人について、取り扱い実績がある。
  • 楽天への転職をサポートできるノウハウを持っている。
  • 楽天以外の求人情報についても豊富に保有しており、そのような求人についても成功までサポートするノウハウを保有している。
これらの要素が全て当てはまる、具体的におすすめしたい転職エージェントは以下4社です。 登録自体は2~3分で済みます。無料なので費用面のリスクもありません。
登録すべきか 特徴
リクルートエージェント 業界最大手。楽天への転職サポート実績多数。
doda 業界2番手。楽天への転職サポート実績多数。提案力に強み。
ビズリーチ ダイレクトリクルーティングが活発で、職務経歴書が目につけば人事担当者が連絡してくる可能性あり。
特に『リクルートエージェント』『doda』の2社は登録を強くお勧めします。
ただ、この2社については最大手でもあり、他の転職希望者も多数抱えるため、対応スピードなどサポートに満足が行かない場合もあるかもしれません。それも踏まえ、『ビズリーチ』も登録しておく方が良いでしょう。
ちなみに、登録完了後、転職エージェントから連絡が来るタイミングはマチマチです。早いところもあれば遅いところもあります。一方で、登録する内容については転職エージェントによる違いはほとんど無く、同じ作業の繰り返しです。
そのため、登録するエージェントが決まったら、一気にまとめて登録してしまう方が効率的です。
各社の特徴は、以下のとおりです。

リクルートエージェント|業界最大手・求人企業からの圧倒的な信頼度

リクルートエージェント』は、リクルートが運営する業界No.1の転職エージェントです。
若手からベテランまで、幅広いユーザーの転職サポート実績があります。
業界最大手のため、楽天への転職実績は多数あり、以下のメリットがあります。
  • 楽天への転職実績が多数あり、転職希望者へのサポートノウハウが豊富
  • 楽天側からの信頼も厚く、非公開求人の充実につながっている。
楽天への転職に一番直結する転職エージェントと言えるでしょう。
リクルートエージェント公式サイトhttps://www.r-agent.com/

doda|業界No.2・転職希望者に対する高い提案力

doda

doda』は、パーソルキャリア(旧:インテリジェンス)が運営する業界No.2の転職エージェントです。
若手からベテランまで、幅広いユーザーの転職サポート実績があります。 非公開求人は8万件、登録者数は370万人の規模に上ります。 拠点は全国に10カ所(※)あります。 ※東京、札幌、仙台、横浜、名古屋、大阪、京都、兵庫、広島、福岡
おすすめの求人を紹介してくれる段階になると、結構絞って紹介してくれます。 また、求人企業とのやりとりは担当が別なので、求人について細かい質問をした時など、その場で回答をもらえないこともあります。当然後からきちんと回答はもらえますので、聞きたいことは遠慮せずに聞いておくべきです。
転職希望者のニーズを掘り下げてくれるため、面談時間も2時間ぐらい見ておいた方が良いでしょう。
doda公式サイトhttp://doda.jp/

ビズリーチ|企業の採用担当者からダイレクトリクルーティングに強み

ビズリーチ』は、人材系ベンチャーのビズリーチが運営する転職支援サービスです。
特徴的なのは、ダイレクトリクルーティングという概念を日本にもたらした第一人者的な存在というところです。数多くの転職希望者のデータを求人企業に公開、転職エージェントなどを通さずに企業側が直接転職希望者にアプローチできる、画期的な取り組みです。この方法を取り入れる企業は拡大する一方のようです。なお、ダイレクトリクルーティングだけではなく、多数のヘッドハンターも利用するサービスのため、転職エージェントとは違う角度で求人を入手できる機会も望めるサービスです。
ビズリーチ公式サイト https://www.bizreach.jp/
ちゅうちゅう

リクルートエージェント』『doda』は大手だからまずオススメってことですね。転職エージェントは何社登録してもタダですしね。そのうえで、いろんな担当者と意見交換できるわけですし。

リアルリアル

どーだ、どーなんだ。)

10.転職エージェントを上手に使いこなすには?

ここからは、実際に『リクルートエージェント』『doda』『ビズリーチ』のいずれか、もしくは全て登録完了した後の話になります。
転職エージェントの担当者から、面談の誘いについての連絡が入ります。その後面談を行うわけですが、そこからの注意点をお伝えします。

仕事観や人生設計含め、転職エージェントに対しては、本音トークを心がけましょう。

転職希望者にとって、転職は人生を賭けた勝負です。そのため、転職エージェントとは最初から本音トークを行いましょう。隠し事はもちろん遠慮して本音を伝えないと、後から「お互い時間の無駄」になってしまいます。
求人企業との面接とは違い、転職エージェントは橋渡し役の立場になるため、「どんな会社を受けたいのか、どんな会社は受けたくないのか」「どんな仕事がしたいのか、どんな仕事はやりたくないのか」この辺は遠慮なく伝えてください。
言ってしまえば、転職エージェントにとって、転職希望者は「商品」という位置付けです。そのため、転職希望者がどんな人間なのか?もちろん初対面ですから知らないわけで、それを知ることによって、提示される求人の精度が高まります。あなたにとっても、求める求人情報以外は提示されたくないと思いますので、遠慮なく最初に本音を伝えておきましょう。
また、複数の転職エージェントを利用する場合、その旨も先に伝えておきましょう。そうすることで、他の転職エージェントに勝つために、あなたへの対応優先度が上がる可能性があります。

転職エージェントから紹介された求人情報に断りを入れる際は、次につながる断り方をしましょう。

転職エージェントとの面談時、もしくはその後日、転職エージェントからあなたの希望に合うと思われる求人情報の紹介を受けます。その際、「うーん、この会社か、あんまりいい話聞かないな。。」とか「うーん、この会社にはすごく入りたいんだけど、この仕事はちょっとな。。」と思う時が必ず訪れるでしょう。その際は、転職エージェント側の気持ちを踏まえ、以下のように次につながる断り方をしましょう。
  • 断りを入れる前に、その求人情報が自分に合うと、どの点で判断したのか聞いてみる。そのうえで、自分の希望に合わない点を伝えたうえで断りを入れる。
  • その会社で働いている(働いていた)知人や友人がいて、内情を聞いている限りどうしても興味が湧かない、と伝えたうえで断りを入れる。
※「ネット上での口コミを見て興味が持てない」というのは、現実性に乏しく、あまりおすすめできません。ただ、その際はその口コミ内容を伝えたうえで、実際はどうなのか聞いてみると良いでしょう。また、転職エージェントの担当者によっては、「口コミサイトは当てにならないし、見ない方がいいですよ。」とあなたに言ってくる場合もあります。そういった担当者に当たった場合は、担当者を変更してもらうことも視野に入れたうえで興味が湧かず断りたい、と意思を表示しましょう。
逆に、以下のような断り方はやめましょう
  • 理由を伝えることなく断りを入れる。
  • 最初の対面時ではなく、後日メールでの紹介があった場合、そのメールを無視して返信しない。
このような対応を行うと、その後紹介される求人がガクっと減ってしまうなど、担当者にとってのあなたの対応優先度が低くなってしまい損につながります。

転職エージェントから紹介された求人情報に興味を持った場合、その求人情報の背景を把握しましょう。

転職エージェントとの面談時、もしくはその後日、転職エージェントからあなたの希望に合うと思われる求人情報の紹介を受けます。その際、「お!これはぜひ受けてみたい!」という瞬間が訪れることがあるでしょう。その際は、転職エージェントに対して、あなたがその求人に興味を持っていることを伝えるとともに、併せて以下のように質問してみましょう。
  • なぜ中途社員が必要なのか(例、新しいポジションか、既存社員が辞めた埋め合わせか、業績向上による人員増強か、など)
  • いつ頃から募集しているのか。
  • 現時点で決まっていない理由は何なのか。
  • 面接に受かる人にはどんな傾向があるのか。逆に落ちる場合はどんな傾向があるのか。
このような確認を行い、得られた情報を書類選考・面接対策に反映することで、あなたの転職成功確率が高まることでしょう。

転職エージェントの担当者と合わない場合は、担当者変更を要求しましょう。

転職エージェントから求人情報の紹介が始まった後が一般的ですが、次のような場合は担当者に直接、担当者変更を依頼しましょう。
  • うまく付き合おうと努力を重ねたが、人間としての相性も含め自分とは合わない。
  • 見当違いの企業ばかり紹介してくる。
  • 求人情報について、担当者自身が詳細把握できていない。
  • メール返信等、対応がとても遅い。
転職エージェントにとっても、避けたいのはあなたが他の転職エージェントに逃げてしまうことです。そのため、その担当者に対して、思い切って担当者変更を依頼しましょう。
その際、注意点は以下のとおりです。
  • (これは必須です!)これまでサポートしてもらった感謝の気持ちを伝える。
  • 転職活動に慣れていないため不安が大きく、「他の担当者の意見も聞きたい」と伝える。要するに、その担当者に外れて欲しいのではなく、別の担当者の意見も聞きたいと伝える。
このように依頼すれば、悪い印象を与えることなく、スムーズな担当者変更につながるはずです。

主導権は転職エージェントではなく、あなたにあることをしっかり肝に銘じましょう。

これが一番重要なのですが、転職エージェントと面談を行い、その後コミュニケーションを続けていく中で、あなた自身の気持ちや担当者との相性によって、「何のために転職活動をしているのか」よく分からなくなってしまう場合があります。
転職エージェントは転職のプロとして、あなたと対等の立場で接してくることが多いです。ただ、中には「どんどん応募しないといつまでも決まりませんよ。多少希望と違ったとしても、まずは受けてみましょう」など、とにかく数をこなすよう促される場合もあります。
その際、転職エージェントに振り回されることなど決して無いよう「主導権は自分にある」ということを肝に銘じましょう「転職エージェントと上手に付き合う」というのは、「転職エージェントを上手に使いこなす」ということです。
決して高慢な態度を出してはいけませんが、「この転職希望者にはぜひ成功して欲しい!しっかり協力しよう!」と、気持ち良く仕事をしてもらうようにしましょう。担当者もあなたと同じ人間です。「最低限のビジネスマナーを守る」「約束は守る、できない約束はしない」「なるべく早めの対応を心がける」など、普段の仕事と同様の感覚で接しておけば間違いないと言えるでしょう。
ちゅうちゅう

転職エージェントはあなたの味方なので、本音で接しつつ協力してもらうためにきちんとビジネスライクに付き合えば何の問題もないってことですね。

リアルリアル

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転職人気企業ですが、部署によっては激務だったりと、部署単位で満足度が異なる企業という側面もあります。会社としてだけで判断するのではなく、実際どんな環境で働くのか、部署レベルまで落とし込んだ情報収集を行い、そのうえでチャレンジしてみることを強くおすすめします。
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ちゅうちゅう

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リアルリアル

(ごちそうさまでした!)