中途採用で、三井物産に転職したい、と考えている方は多いかと思います。日本を代表する総合商社として、知らない人はいませんね。
このページでは、三井物産への転職について、どうしたら正確な情報を得られるか、そのうえで転職したいと思ったらどう対処すべきか、現役エージェントの知見から、三井物産への転職について触れたいと思います。
ちゅうちゅう

新卒向けの内容は省き、完全に転職者・中途入社社員に特化した内容です。読んで損はないはずです。

リアルリアル

(三井物産。うおォンうおォン。)

三井物産の転職難易度は極めて高いと言えます。求められるスキルはかなりハイレベルで、例えば海外案件の従事経験やコンサルティング経験、国内外の企業との交渉経験や英語力(TOEIC800点以上)などが必要とされます。第二新卒の方の場合、このような経験を積むのは難しいと思うので新卒採用に挑戦したほうが良いかもしれません。三井物産の新卒採用に年齢制限はありません。
転職難易度は相当高いですが、キャリア採用には積極的です。2023年3月期のキャリア採用者は92名(全採用者の約45%)で、社員との座談会やWEBセミナーの開催、キャリア採用社員にスポットライトを当てたオンライン記事の作成等を行っています。

2.三井物産への転職についての所見まとめ

次章以降で詳細について触れますが、三井物産への転職についての所見をまとめます。

転職を考える際、押さえるべき三井物産の特徴

  • 三井グループの大手総合商社であり、五大商社の一つ。
  • 極めて優秀な人材が多く、個人の実力が評価される社風。
  • 海外赴任した場合、不在中となった自宅を会社が借り上げるなど福利厚生も充実。
  • 公式サイトでは各セグメントの求人があり、年に4回の通年採用を行っている。
  • 「強い個」を持ち、自ら考えて行動できる優秀な人材を求めている。
  • 部署や個人によって、ワークライフバランスの調整しやすさは大きく異なる。
  • 30歳前後で平均年収は1,000万円、30代~40代で1,500万円~2,000万円ほど。

三井物産へ転職するために、押さえておくべきポイント

  • 高いレベルの語学力、任務遂行能力、コミュニケーション能力、体力、メンタルが必要とされるようなので注意が必要。
  • 一般に公開されていない求人を知るためにも、転職エージェントを使うのがおすすめ。

3.三井物産ってどんな会社?

項目 内容
会社名 三井物産株式会社
代表者 代表取締役社長 堀 健一
本社所在地 東京都千代田区大手町一丁目2番1号
設立 1947年(昭和22年)7月25日
資本金 342,560,274,484円 (2023年3月31日現在)
主な事業内容 鉄鋼製品、エネルギー、食料、ICT事業などの分野における商品販売とそれを支えるロジスティクス、ファイナンス、国際的なプロジェクト案件の構築など。
従業員数 単体:5,449名 連結: 46,811名(2023年3月31日現在)

事業内容

三井物産には、以下7つのオペレーティングセグメントがあります。
  1. 金属資源セグメント
  2. エネルギーセグメント
  3. 機械・インフラセグメント
  4. 化学品セグメント
  5. 鉄鋼製品セグメント
  6. 生活産業セグメント
  7. 次世代・機能推進セグメント
三井物産は5大商社の一つであり、事業領域は多岐に渡ります。特に金属資源分野に強く、日本をはじめとする世界各地域への金属資源の安定供給に努めています。サステナビリティ・循環型社会の実現に向け、鉄・非鉄のリサイクル事業や二次電池原料開発・リサイクル事業にも取り組んでいます。
「トレーディング」と「事業経営・事業開発」を両輪とし、多種多様な機能とグローバルなネットワークを掛け合わせることで、幅広い領域での事業を創出・育成しています。

今後の事業展開

三井物産はサステナビリティを経営の中核に据えています。グローバル・サステナビリティの視点からあらゆる産業の社会課題を掘り起こし、そこから新しいビジネスイノベーションを生み出すことで、強い事業群、新しい産業の創出を目指していくとしています。 具体的には以下の3領域を攻め筋として設定しています。
  1. 社会の発展に不可欠な資源、素材、食料等の安定供給の仕組みの提供や、産業を支えるモビリティインフラ・デジタルインフラ等の構築。
  2. エネルギー安定供給と気候変動対応双方の観点から、事業を通じた現実解を提供。
  3. 健康・医療に加え、健康に通じる食等の人々のライフスタイルの質向上に繋がる価値を提供。

海外展開

三井物産は、63の国や地域に広がる128拠点とグローバルネットワークを活かし、多種多様な商品のトレーディング、事業投資などを展開しています。これまで主にアジアを中心に海外展開を行っており、シンガポールやタイの資産運用会社に資本参画しています。
将来的には、三井物産の得意領域である不動産やインフラ資産を中心としたリアルアセット等の分野において、ファンド事業をグローバルに展開することも視野に入れています。

4.三井物産の現役社員・元社員からの評判は?(口コミ)

三井物産の口コミや内部情報について、転職口コミサイトのOpenWorkenライトハウス転職会議キャリコネを参考に紹介します。新卒入社と中途入社では当然差があることを踏まえ、中途入社した人のみの内部情報です。
項目 コメント
給与・福利厚生
  • 非常に高い給与水準。
  • 各種手当が充実している。
  • 管理職前であれば、30歳前後で年収1,000万ほどになる。
  • 新社屋が素晴らしい。
ワークライフバランス
  • 比較的有休は取得しやすい。
  • 部署による差が大きい。
  • 有休を時間単位で取得できる。
  • 調整できるかどうか、個人差が大きい。
社風
  • 個人の実力が評価される文化。
  • 組織体制がしっかりしている。
  • 人を大事にする社風。
  • 自己研鑽を疎かにしない、意識の高い社員が多い。
成長機会・キャリア開発
  • 海外出張、海外駐在の機会が多い。
  • 担当するプロジェクトが大きく、やりがいがある。
  • 部門間を異動する制度が用意されている。
  • 環境変化に応じた対応力を身につけることができた。
入社後のギャップ
  • 上下関係が厳しい。
  • 想像以上に、社員に多様性がある。
  • 思った以上に優秀な人が多い。
  • 中途採用者は出世しづらい。
退職検討理由
  • 起業するため。
  • 駐在先で他に良いチャンスがあったため。
  • 仕事の力があっても、年功序列のため出世に時間が掛かる。
  • 専門性を身につけることができない。
ワークスタイル
  • リモートワークが定着している。
  • 時差出勤制度がある。
  • 自由度が高く、働き方は自分で決める。
  • フレックス制度が導入された。

給与・福利厚生

給与は日系企業の中でトップクラスであり、大変満足しているという意見が多かったです。30歳前後で1,000万円が1つの目安となっており、30代~40代で1,500万円~2,000万円ほどになるようです。海外勤務になると更に収入は上がり、ハードシップの高い国へ行く場合はより一層プラスされるようです。
福利厚生は、退職金、借り上げ社員寮、財形貯蓄、社員持株会、株式報酬制度等があるようです。2020年に移転した新社屋は様々な設備が整っており、非常に快適なオフィスであるという口コミが複数ありました。

ワークライフバランス

部署による差、個人差がかなり大きいようです。ただ、長時間労働を是とするような風潮は廃れ、残業が多すぎる場合は上司から指導が入るようです。結果を出していれば個人の裁量で業務を調整できる為、ワークライフバランスは良いという意見もありました。
リモートワークは可能ですが部署によっては自主的な出社率が高く、社内外ともにface to faceのコミュニケーションを大切にしているという声も見られました。

社風

個人の実力が評価される文化のようです。結果を残せる人物にはどんどんチャレンジできる仕事が回ってくるし、新しいことでもチャレンジさせてもらえる風土があるという意見がありました。よく「人の三井」とも言われますが、組織体制がしっかりしており、優秀で面白い人が多いそうです。帰国子女や留学経験者も多く価値観が多様化しており、仕事以外のプライベートな相談ができる同僚、先輩に恵まれているところが魅力的だという意見もありました。

成長機会・キャリア開発

スケールの大きい仕事に携われるという意見が多数ありました。世界規模の案件に関与でき有意義であったなど、なかなか普通の会社では出来ないような事が経験できる部分に魅力を感じる方も多いようです。また、海外転勤の機会も多く、ビジネスマンとしての基礎はほぼ習得できる、プロジェクトマネージメントやガバナンスなどを圧倒的に高いレベルで学ぶことができる、仕事の難易度が高く、常に現場意識を高められるなどの意見がありました。
一方で、専門知識は基本外部アドバイザーに任せる傾向が強く、全員がジェネラリスト、管理職に進んでいくというキャリアパスであり、専門能力を高めていくことは会社からサポートされていないように感じるという意見もありました。

入社後のギャップ

入社後のギャップはあまりなく、イメージ通りに海外に関するダイナミックな仕事が出来たという意見が複数ありました。他に、想像以上に社員が優秀であるという声もいくつかありました。一定以上の事務処理能力、コミュニケーション能力、語学力、体力、メンタルが必要であり、自分の存在意義をしっかりと示さなければ評価されないという意見もありました。また、グローバルな事業展開をしていることから外資系のような組織文化を想像していると、ギャップに悩むと思うという意見もありました。

退職検討理由

会社に不満があっての退職ではなく、起業するためや他業種に興味を持ったなどのポジティブな理由が多い印象を受けました。その他としては、投資銀行のような仕事ばかりで現場を見て仕事するような仕事が少なくなったので、より違う環境に身を投じて成長しようと思ったなどの意見がありました。また、会社の中でジェネラリスト・管理職として昇進していくイメージが持てず、退職を検討したという意見もありました。

ワークスタイル

三井物産は2020年6月より、東京・大手町の新本社を本格稼働させています。新本社のコンセプト作成時は当然、新型コロナの流行を見越していたわけではありませんが、結果的には感染症にも対応しやすい新しい働き方(仕事の内容に合わせて働く場所を選ぶことが可能)ができるようなオフィスとなっています。また、1年半前からペーパーレス化を進めており、在宅勤務(テレワーク/リモートワーク)における顧客との商談でも電子データを使うなど、働く場所を選ばない工夫をしています。
ちゅうちゅう

給与も福利厚生も高い水準にあり、極めて優秀な人材が多く揃っている会社のようです。そして、海外でダイナミックな仕事をする機会が多いようなので、語学力を活かしつつ何か大きな仕事をしてみたいと考えている方にぴったりの職場かもしれません。

リアルリアル

(考えるな。感じるんだ。)

5.三井物産は、転職者に対してどんな人材を求めている?

募集職種

三井物産は年に4回の通年採用を実施しています。ポジションの公開は5月、8月、10月、12月となっており、それぞれエントリーの締め切りがあるのでご注意下さい。各選考時期によって募集ポジションは異なります。
参考までに2023年度第2クールでは、鉄鋼製品、金属資源、機械・インフラ、化学品、エネルギーなどの各セグメント、コーポレートスタッフ部門など多くの求人がありました。応募資格は、国内外の大卒以上で就労経験があることとなっています。

求める人材

三井物産採用ページには、求める人材像として以下が記されています。

求める人材像:多様な強い「個」

社員一人ひとりが「自立したプロフェッショナル」として「挑戦と創造」を重ね三井物産らしい価値創造を続けるために、強い「個」の確立と活躍を促す仕組みを整備し、更なる「挑戦と創造」を後押しする環境を整えています。皆さまには三井物産という場を最大限活用するべく、以下の3つのキーワードを大切にしながら、自らの可能性を追求してほしいと考えています。
~多様な強い「個」の解像度を上げる3つのキーワード~
1. ユニークネス 2.インディペンデント・シンカー 3.インクルージョン

このメッセージから
  • 優れた能力と主体性を持ち、「強い個」である人材
  • 高い専門性を持ち、自立的な発想で物事やビジネスを考えることができる人材
  • 多様なバックグラウンドを持ち、「挑戦と創造」にドライブを掛けることが出来る人材
を求めていると考えられます。
三井物産の公式サイトは情報量が多く凝った作りになっています。三井物産の「ビジネス」「人」「場」を様々な切り口で紹介した「360° business innovation」やキャリア形成についてのインタビューなどがあり、転職へのヒントを与えてくれると思います。
どこの部署の社員が、日頃何を考え、どのように仕事に取り組んでいるのか、人間性も含め感じることができるでしょう。あなたが興味のある事業に取り組む社員の方の意見は、書類・面接対策においても必ず目を通しておきましょう。

給料(年収)

平均年間給与:1,784万円 (2023年現在3月31日)
平均年齢:42.3歳(2017年現在)
平均勤続年数:18.1年(2017年現在)

労働時間

平均残業時間:29.2~34時間/月
自立した働き方が求められる為、ある程度は残業時間も自分でコントロール可能なようです。PCのログイン情報は管理され、残業が多すぎると上司に説明しなければならないので残業を抑えるようにしているという口コミもありました。プロジェクトの進捗具合や部署にもよりますが、以前と比べると残業が減ってきているようです。
ちゅうちゅう

「強い個」を持ち、自ら考えて行動できる優秀な人材を求めているようですね。中途採用は年に4回の通年採用で、エントリーの締め切りが決まっているので注意が必要です。

リアルリアル

(いいじゃないか。)

6.三井物産の求人情報にはどんな傾向がある?

転職サイトを各種調べたところ、三井物産の求人はほとんど見つかりませんでした。プロジェクトマネジメント(契約社員)や経営人材候補の求人がわずかにあるのみです。グループ会社の求人は多数ありました。
    ただ、これはあくまで一般に公開されている求人であり、非公開の求人というものがある可能性があります。
    例えば、転職エージェントのdodaの場合、非公開求人が公開求人の3倍以上の規模に上るため、doda非公開求人の方には他の技術系・事務系職種も含まれている可能性があります。
    ちゅうちゅう

    現時点で公開されている求人はありませんが、隠れ求人の存在は気になるところです。

    リアルリアル

    (いわゆる裏メニューってやつか。悪くない。)

    7.三井物産の選考対策

    三井物産の選考ステップや経験者の口コミについて、転職口コミサイトのワンキャリアプラスOpenWorkを参考に紹介します。
    三井物産の採用部門面接では実践能力を測るような具体的な質問がされ、人事部門面接では人材マネジメントの経験やマネジメントスタイルなど管理職登用試験のような質問がされるようです。
    面接の中では「人生で一番の失敗談」や「今まで一番辛かった仕事」などについて聞かれることが多く、苦境に立たされた時にどう打開してきたのか、またその状況に耐えられるタフさがあるのかを重視しているようです。

    選考ステップ

    三井物産の選考ステップは、以下のように進みます。詳細に見ていきましょう。
    1. 応募・書類選考

    2. Webテスト

    3. 1次面接~3次面接

    4. 最終面接

    応募・書類選考

    三井物産に応募するには、大まかに2つの方法があります。
    1. 公式サイトから直接自分で応募する。
    2. 転職サイトや転職エージェント経由で応募する。
    転職サイトや転職エージェントの公開求人はほとんどない状態なので、公式サイトから応募するか、転職エージェントに登録して非公開求人を紹介してもらう方が良いでしょう。口コミサイトを見ると企業からのスカウトで選考を受けた方もいるようなので、ビズリーチリクルートダイレクトスカウトのようなヘッドハンターが在籍するハイクラス向けの転職サービスに登録してオファーを待つという方法もおすすめです。
    公式サイトからの応募の場合、年に4回の通年採用で、ポジション公開や面接のスケジュールが決まっています。必ず確認しましょう。

    Webテスト

    WebでSPI(言語、非言語、英語、性格)が行われるようです。職種により科目は異なるようですが、書籍やWebなどで一通り対策しておけば大丈夫でしょう。また、オンラインで中途採用質問会があります。事業の採用担当者とカジュアルに情報交換できる場となっているようなので、積極的に情報収集すると良いという口コミがありました。
    Webテストに通過すれば、エントリーシートの希望部門に記載していない部門に関しては、同一年度内2回までの応募が可能です。

    1次面接~3次面接

    志望動機などのオーソドックスな質問の他、以下のような質問がされるようです。
    • プロジェクトでのモチベーションも能力も低いメンバーをどう巻き込むか?
    • 自分が一番変わったと思う瞬間。
    • 今までで一番つらかった仕事は何か。(人生で一番の苦境は何か、人生で一番の失敗談は?)
    • ストレス耐性があるか。
    • 明日から部門長になったら何をするか。
    単なる成功体験ではなく、大きな課題や壁に直面した時に、それをどのように乗り越えてきたかを重視する面接のようです。1つの切り口や1つの立場で物事を考えると言うより、ステークホルダーの多様な立場や観点に従って考えることができる人材が求められているという口コミもありました。
    面接官は個性の強い方が多いようで若干押しの強い場面もあり、それに対してどういうコミュニケーションを取るのか見ているようです。その他、鋭い質問が短時間で飛んで来るので、しっかりとした自己分析と面接準備が必須、単純に受け答えしにくい質問をされるなどの口コミもありました。

    最終面接

    1次~3次面接で落選する方が多いようで、最終面接の口コミは少数でした。それだけ転職難易度が高いということの現れでもあります。
    最終面接では、新卒で入った会社を選んだ理由、前職で何の成果を出したのか、前職の業界のトレンド、そのトレンドに対して商社の立場で何をすることが良いと考えるか、なぜ三井物産なのか等が質問されたようです。
    面接の雰囲気としては、終始フランクな雰囲気で行われたという口コミもあれば、ピリピリして嫌な雰囲気だったという口コミもありました。あまり打ち解けた雰囲気ではなさそうです。

    選考の口コミ

    法人営業

    三井物産の歴史と社是などを調べておき、きちんと分かっているアピールをさりげなく行うこと、なぜ三井物産なのかをきちんと言えることが重要。

    物流企画・ロジスティクス

    商社の社員が持っていない経験やスキルで、自分が持っているものが何か考え、それをどう生かしたらバリューを発揮出来るのか、事業価値向上に繋げられるのか、自分の考えを纏めること。

    海外営業

    リーダーシップはあるかと聞かれ、自分は2番手で全体の構成を仕切るのが得意と答えたら、若干面接担当者のテンションが低下した。

    海外営業

    経営理念について聞かれたが、転職の面接で聞かれるとは思わず全く準備していなかったので回答できなかった。

    三井物産の面接の一部は、やや圧迫気味で緊張感があるものかもしれません。集団に埋もれて平穏に過ごしたいという人よりは、個性的で多様性のある人材、尖った人材を求めているという背景もあると思います。厳しい雰囲気の中でもロジカルに意見を述べられるよう、強い気持ちで臨みましょう。

    8.三井物産への転職を成功させるには?

    ここまで読んで、三井物産への転職意欲は高まりましたか?

    三井物産に転職する方法で一番おすすめしたいのは、転職エージェントの活用です。

    ※転職エージェントとは?
    「エージェント」というのは、いわゆる「代理人」です。転職エージェントは、転職希望者と中途採用の求人を出している企業とをつなげるのが役割です。転職エージェントは、採用が成功した場合に企業から手数料がもらえるので、転職希望者からはお金をもらいません。そのため無料で利用できるサービスです。これらのサービスは、サイト上で登録をすると転職エージェントの方から面談の誘いがメールで来ます。そのうえで日程を調整してその転職エージェントの企業に訪問し、面談を行います。面談では、「具体的に転職を考えているのか」「なぜ今の会社を辞めようと思っているのか」「どういった会社に移りたいと思っているのか」というような質問があり、それに答えていくかたちになります。転職エージェントに登録する転職希望者は、「一刻も早く転職したい」という人もいれば、「特にまだ転職は考えていないが、良い求人があれば転職したい」など様々な思いを抱いています。そのため、面談で「具体的に転職を考えているのか」という質問に対して、「今は情報収集している段階です。」と答えても、まずイヤな顔はされないと思って大丈夫です。
    では、三井物産に転職する場合に転職エージェントを活用すべき理由ですが、以下4点です。
    • 一般には公開されていない、三井物産の求人情報について入手できる可能性がある。
    • 書類選考・面接について、三井物産に特化した対策を行ってもらえる。
    • 年収など、求人企業との待遇面の交渉について代行してもらえる。
    • 転職後に実際に配属される部署の実態について、詳しい情報を教えてもらえる。

    一般には公開されていない、三井物産の求人情報について入手できる可能性がある。

    例えばdodaの場合、サイト上で公開されている求人の3倍以上もの非公開求人を取り扱っています。

    ※転職エージェントはなぜ全ての求人を公開しないのか?
    転職エージェントは全ての求人を公開しない、というよりは公開できないのです。これはなぜかと言うと、企業は人ありきとよく言われますが、あくまでビジネスあってこその人と言うこともできます。要するに、既存ビジネスの強化・新規ビジネスの創出を行うために人が必要なのです。そのため、特に新規ビジネスについては、開始する前、もしくは開始して間もなくは他社にそのことを知られたくありません。中途採用の募集を行ううえでも、自社のサイトはもちろん、転職サイトにもその情報を載せたくないのです。そうすると、転職エージェントにそのような中途採用求人が集まることになります。なぜ転職エージェントなのかと言うと、転職希望者個人と対面する必要があり、情報をオープンにする必要が無いからです。ちなみに、公開されている求人と比べて、戦略的な採用という色が濃いため年収やポジションも好条件のものが多いのが一般的です。
    転職エージェントの大手であればあるほど、三井物産の非公開求人も取り扱っています。
    あなたのような転職希望者の適性に応じて提示してくれますし、適性に合う求人が無い場合でも、三井物産に対して適性に合う求人が無いか、あなたを売り込みに行ってくれることもあります。
    そのため、三井物産のサイトや転職サイト・転職エージェントのサイト上の求人を見て、自分に合う求人が無い場合には、非公開で取り扱いが無いか、転職エージェントに尋ねてみることをおすすめします。

    書類選考・面接について、三井物産に特化した対策を行ってもらえる。

    転職エージェントは、過去に多くの転職希望者の転職を実現させているため、転職人気企業であればあるほど、その機会に多く携わっています。そのため、選考スタイルや選考プロセスについて熟知しており、ノウハウが豊富です。

    どんな人なら受かって、どんな人なら落ちてしまうのか。面接でどういう質問がされ、それにどう答えれば受かり、落ちる場合は答え方がまずかったのか、答える内容自体が間違っていたのか。そのような過去実績に基づく膨大なデータを保有しています。
    その根拠データやノウハウを用いて、三井物産の書類選考を突破するために、職務経歴書上でどんな内容をどんな風にアピールした方が良いのか、面接の段階では想定される複数の質問に対して、どう答えた方が良いのか、サポートしてもらえます
    さらに、面接担当者にはどんな傾向があるのか(結論から論理立てて話すようにしないと、60分の面接でも30分で終わってしまうなど。。)、求人情報ではまず触れられるはずのない情報も持っているため、転職サイトや企業サイトから応募するよりも圧倒的に有利に進められます。
    なお、これは意外だと思いますが、このように転職エージェントは転職人気企業ほどパイプが太いため、仮に採用企業側が面接であなたを落とすと判断した場合でも、掛け合ってくれて通過させてくれることもあったりします
    基本的に、面接については終了後に転職エージェントに「面接終了しました。」と電話連絡を入れるステップがあります。その際、「おつかれさまでした。面接はいかがでした?」と面接の苦労を労ってもらえるとともに、「うまく答えられなかった質問はありましたか?」など丁寧にフォローを入れてくれます。その内容をもって、転職エージェントはあなたの代理となり、その後採用企業側にフォローを入れてくれるのです。
    ただ、全ての転職エージェントがそういった対応を行ってくれるわけではありません。転職エージェントは良いところだけを選ぶようにしましょう

    年収など、求人企業との待遇面の交渉について代行してもらえる。

    転職するうえで、重要なものの1つは年収でないでしょうか。 年収については、残業の有無と同様に面接で質問することは難しいと思います。

    「年収〇万円以上」「年収〇万円~〇万円」という求人情報がほとんどですが、転職エージェントは、転職希望者の適性と過去の転職成功者の適正をマッチングして、「この人なら年収〇万円だろう」などとあたりをつけます。そのうえで、最終面接、もしくはその後に企業から実際の金額について転職エージェントに連絡が入ります。
    その段階で、前もってあなたが事前に伝えていた金額よりも低ければ企業側と交渉してくれます。さらに、もしあなたが事前に伝えていた額と同等であった場合でも、それより高くならないか、掛け合ってくれるのです。
    これは直接応募ではまず不可能なことだと思うので、転職エージェントに頼りましょう。

    転職後に実際に配属される部署の実態について、詳しい情報を教えてもらえる。

    これまで見ていただいたとおり、会社自体の情報は事前に仕入れることができても、実際に配属される部署についての情報を仕入れることは不可能に近い、というか不可能でしょう。

    一緒に働くうえで、その部署の上司・同僚のタイプや新卒中途・男女の比率、他の関連部署との力関係、会社の中での位置づけなど、事前に知っておくことに越したことはありません。転職エージェントはそういった情報も保有していますので、気になることはどんどん聞いてみましょう。
    併せて、気になった会社については、いろいろ悪い口コミ情報などもネットなどで見かけることがあるでしょう。そういった口コミ情報が正しいのか、間違っているのかについても、聞いてみるのが良いでしょう。
    ちゅうちゅう

    そもそも自分に合った会社なのか、合う場合、受かるためにどうしたら良いか、転職エージェントを味方につけるのが効率的ですね。

    リアルリアル

    (う~ん、そうきたか。)

    9.三井物産への転職で、おすすめの転職エージェントは?

    転職エージェントは有名な会社だけでも10社近くあります。
    実際相手にする担当者との相性含め、当たり外れが多いのが実際のところです。登録や面談の手間、日ごろの電話・メール対応も考えると、どの転職エージェントと付き合うかについては、失敗は許されないと言っても過言ではありません。
    三井物産に転職するために登録すべき転職エージェントを、以下の観点で選びました。
    • 三井物産の求人について、取り扱い実績がある。
    • 三井物産への転職をサポートできるノウハウを持っている。
    • 三井物産以外の求人情報についても豊富に保有しており、そのような求人についても成功までサポートするノウハウを保有している。
    これらの要素が全て当てはまる、具体的におすすめしたい転職エージェントは以下4社です。 登録自体は2~3分で済みます。無料なので費用面のリスクもありません。
    登録すべきか 特徴
    リクルートエージェント 業界最大手。三井物産への転職サポート実績多数。
    doda 業界2番手。三井物産への転職サポート実績多数。提案力に強み。
    ビズリーチ ダイレクトリクルーティングが活発で、職務経歴書が目につけば人事担当者が連絡してくる可能性あり。
    特に『リクルートエージェント』『doda』の2社は登録を強くお勧めします。
    ただ、この2社については最大手でもあり、他の転職希望者も多数抱えるため、対応スピードなどサポートに満足が行かない場合もあるかもしれません。それも踏まえ、『ビズリーチ』も登録しておく方が良いでしょう。
    ちなみに、登録完了後、転職エージェントから連絡が来るタイミングはマチマチです。早いところもあれば遅いところもあります。一方で、登録する内容については転職エージェントによる違いはほとんど無く、同じ作業の繰り返しです。
    そのため、登録するエージェントが決まったら、一気にまとめて登録してしまう方が効率的です。
    各社の特徴は、以下のとおりです。

    リクルートエージェント|業界最大手・求人企業からの圧倒的な信頼度

    リクルートエージェント』は、リクルートが運営する業界No.1の転職エージェントです。
    若手からベテランまで、幅広いユーザーの転職サポート実績があります。
    業界最大手のため、三井物産への転職実績は多数あり、以下のメリットがあります。
    • 三井物産への転職実績が多数あり、転職希望者へのサポートノウハウが豊富
    • 三井物産側からの信頼も厚く、非公開求人の充実につながっている。
    三井物産への転職に一番直結する転職エージェントと言えるでしょう。
    リクルートエージェント公式サイトhttps://www.r-agent.com/

    doda|業界No.2・転職希望者に対する高い提案力

    doda

    doda』は、パーソルキャリア(旧:インテリジェンス)が運営する業界No.2の転職エージェントです。
    若手からベテランまで、幅広いユーザーの転職サポート実績があります。 非公開求人は8万件、登録者数は370万人の規模に上ります。 拠点は全国に10カ所(※)あります。 ※東京、札幌、仙台、横浜、名古屋、大阪、京都、兵庫、広島、福岡
    おすすめの求人を紹介してくれる段階になると、結構絞って紹介してくれます。 また、求人企業とのやりとりは担当が別なので、求人について細かい質問をした時など、その場で回答をもらえないこともあります。当然後からきちんと回答はもらえますので、聞きたいことは遠慮せずに聞いておくべきです。
    転職希望者のニーズを掘り下げてくれるため、面談時間も2時間ぐらい見ておいた方が良いでしょう。
    doda公式サイトhttp://doda.jp/

    ビズリーチ|企業の採用担当者からダイレクトリクルーティングに強み

    ビズリーチ』は、人材系ベンチャーのビズリーチが運営する転職支援サービスです。
    特徴的なのは、ダイレクトリクルーティングという概念を日本にもたらした第一人者的な存在というところです。数多くの転職希望者のデータを求人企業に公開、転職エージェントなどを通さずに企業側が直接転職希望者にアプローチできる、画期的な取り組みです。この方法を取り入れる企業は拡大する一方のようです。なお、ダイレクトリクルーティングだけではなく、多数のヘッドハンターも利用するサービスのため、転職エージェントとは違う角度で求人を入手できる機会も望めるサービスです。
    ビズリーチ公式サイト https://www.bizreach.jp/
    ちゅうちゅう

    リクルートエージェント』『doda』は大手だからまずオススメってことですね。転職エージェントは何社登録してもタダですしね。そのうえで、いろんな担当者と意見交換できるわけですし。

    リアルリアル

    どーだ、どーなんだ。)

    10.転職エージェントを上手に使いこなすには?

    ここからは、実際に『リクルートエージェント』『doda』『ビズリーチ』のいずれか、もしくは全て登録完了した後の話になります。
    転職エージェントの担当者から、面談の誘いについての連絡が入ります。その後面談を行うわけですが、そこからの注意点をお伝えします。

    仕事観や人生設計含め、転職エージェントに対しては、本音トークを心がけましょう。

    転職希望者にとって、転職は人生を賭けた勝負です。そのため、転職エージェントとは最初から本音トークを行いましょう。隠し事はもちろん遠慮して本音を伝えないと、後から「お互い時間の無駄」になってしまいます。
    求人企業との面接とは違い、転職エージェントは橋渡し役の立場になるため、「どんな会社を受けたいのか、どんな会社は受けたくないのか」「どんな仕事がしたいのか、どんな仕事はやりたくないのか」この辺は遠慮なく伝えてください。
    言ってしまえば、転職エージェントにとって、転職希望者は「商品」という位置付けです。そのため、転職希望者がどんな人間なのか?もちろん初対面ですから知らないわけで、それを知ることによって、提示される求人の精度が高まります。あなたにとっても、求める求人情報以外は提示されたくないと思いますので、遠慮なく最初に本音を伝えておきましょう。
    また、複数の転職エージェントを利用する場合、その旨も先に伝えておきましょう。そうすることで、他の転職エージェントに勝つために、あなたへの対応優先度が上がる可能性があります。

    転職エージェントから紹介された求人情報に断りを入れる際は、次につながる断り方をしましょう。

    転職エージェントとの面談時、もしくはその後日、転職エージェントからあなたの希望に合うと思われる求人情報の紹介を受けます。その際、「うーん、この会社か、あんまりいい話聞かないな。。」とか「うーん、この会社にはすごく入りたいんだけど、この仕事はちょっとな。。」と思う時が必ず訪れるでしょう。その際は、転職エージェント側の気持ちを踏まえ、以下のように次につながる断り方をしましょう。
    • 断りを入れる前に、その求人情報が自分に合うと、どの点で判断したのか聞いてみる。そのうえで、自分の希望に合わない点を伝えたうえで断りを入れる。
    • その会社で働いている(働いていた)知人や友人がいて、内情を聞いている限りどうしても興味が湧かない、と伝えたうえで断りを入れる。
    ※「ネット上での口コミを見て興味が持てない」というのは、現実性に乏しく、あまりおすすめできません。ただ、その際はその口コミ内容を伝えたうえで、実際はどうなのか聞いてみると良いでしょう。また、転職エージェントの担当者によっては、「口コミサイトは当てにならないし、見ない方がいいですよ。」とあなたに言ってくる場合もあります。そういった担当者に当たった場合は、担当者を変更してもらうことも視野に入れたうえで興味が湧かず断りたい、と意思を表示しましょう。
    逆に、以下のような断り方はやめましょう
    • 理由を伝えることなく断りを入れる。
    • 最初の対面時ではなく、後日メールでの紹介があった場合、そのメールを無視して返信しない。
    このような対応を行うと、その後紹介される求人がガクっと減ってしまうなど、担当者にとってのあなたの対応優先度が低くなってしまい損につながります。

    転職エージェントから紹介された求人情報に興味を持った場合、その求人情報の背景を把握しましょう。

    転職エージェントとの面談時、もしくはその後日、転職エージェントからあなたの希望に合うと思われる求人情報の紹介を受けます。その際、「お!これはぜひ受けてみたい!」という瞬間が訪れることがあるでしょう。その際は、転職エージェントに対して、あなたがその求人に興味を持っていることを伝えるとともに、併せて以下のように質問してみましょう。
    • なぜ中途社員が必要なのか(例、新しいポジションか、既存社員が辞めた埋め合わせか、業績向上による人員増強か、など)
    • いつ頃から募集しているのか。
    • 現時点で決まっていない理由は何なのか。
    • 面接に受かる人にはどんな傾向があるのか。逆に落ちる場合はどんな傾向があるのか。
    このような確認を行い、得られた情報を書類選考・面接対策に反映することで、あなたの転職成功確率が高まることでしょう。

    転職エージェントの担当者と合わない場合は、担当者変更を要求しましょう。

    転職エージェントから求人情報の紹介が始まった後が一般的ですが、次のような場合は担当者に直接、担当者変更を依頼しましょう。
    • うまく付き合おうと努力を重ねたが、人間としての相性も含め自分とは合わない。
    • 見当違いの企業ばかり紹介してくる。
    • 求人情報について、担当者自身が詳細把握できていない。
    • メール返信等、対応がとても遅い。
    転職エージェントにとっても、避けたいのはあなたが他の転職エージェントに逃げてしまうことです。そのため、その担当者に対して、思い切って担当者変更を依頼しましょう。
    その際、注意点は以下のとおりです。
    • (これは必須です!)これまでサポートしてもらった感謝の気持ちを伝える。
    • 転職活動に慣れていないため不安が大きく、「他の担当者の意見も聞きたい」と伝える。要するに、その担当者に外れて欲しいのではなく、別の担当者の意見も聞きたいと伝える。
    このように依頼すれば、悪い印象を与えることなく、スムーズな担当者変更につながるはずです。

    主導権は転職エージェントではなく、あなたにあることをしっかり肝に銘じましょう。

    これが一番重要なのですが、転職エージェントと面談を行い、その後コミュニケーションを続けていく中で、あなた自身の気持ちや担当者との相性によって、「何のために転職活動をしているのか」よく分からなくなってしまう場合があります。
    転職エージェントは転職のプロとして、あなたと対等の立場で接してくることが多いです。ただ、中には「どんどん応募しないといつまでも決まりませんよ。多少希望と違ったとしても、まずは受けてみましょう」など、とにかく数をこなすよう促される場合もあります。
    その際、転職エージェントに振り回されることなど決して無いよう「主導権は自分にある」ということを肝に銘じましょう「転職エージェントと上手に付き合う」というのは、「転職エージェントを上手に使いこなす」ということです。
    決して高慢な態度を出してはいけませんが、「この転職希望者にはぜひ成功して欲しい!しっかり協力しよう!」と、気持ち良く仕事をしてもらうようにしましょう。担当者もあなたと同じ人間です。「最低限のビジネスマナーを守る」「約束は守る、できない約束はしない」「なるべく早めの対応を心がける」など、普段の仕事と同様の感覚で接しておけば間違いないと言えるでしょう。
    ちゅうちゅう

    転職エージェントはあなたの味方なので、本音で接しつつ協力してもらうためにきちんとビジネスライクに付き合えば何の問題もないってことですね。

    リアルリアル

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    ちゅうちゅう

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