中途採用で、ソニーグループ(以下「ソニー」)に転職したい、と考えている方は多いかと思います。グローバル展開も成功している、言わずとしれた日本を代表する企業ですからね。
このページでは、ソニーへの転職について、どうしたら正確な情報を得られるか、そのうえで転職したいと思ったらどう対処すべきか、現役エージェントの知見から、ソニーへの転職について触れたいと思います。
ちゅうちゅう

新卒向けの内容は省き、完全に転職者・中途入社社員に特化した内容です。読んで損はないはずです。

リアルリアル

(ソニー。うおォンうおォン。)

ソニーへの転職難易度はかなり高いと言えます。dodaの「業種別転職人気企業ランキング2023」においても2位にランクインしており、知名度も人気も高い企業であることは間違いなく、応募人数は相当な数になるでしょう。第二新卒も応募可ですが、求人領域の高い専門性を持っていることが条件です。TOEIC 650点以上が求められる求人も多く、職種によっては850点以上が必要です。
ただ、ソニーは中途採用を積極的に行っています。2021年度は経験者採用比率が37%で(関連会社3社合同)、2018年度は52%と半分以上が中途採用でした。年度によるばらつきはありますが、求人の多さから考えても中途採用に前向きと言えるでしょう。

2.ソニーへの転職についての所見まとめ

次章以降で詳細について触れますが、ソニーへの転職についての所見をまとめます。

転職を考える際、押さえるべきソニーの特徴

  • 世界最大手のAV機器メーカー。
  • 自由闊達で、外資系やベンチャー企業に近い社風。
  • 中途採用で募集中の職種は技術系・事業企画系と幅広い。
  • 経験年数が問われない求人もあり、第二新卒も対象。
  • 残業時間はそれほど長くはないが、高い成果を求められるため、部署によっては激務。
  • 平均年収は約1,101万円と、電機業界ではTOPクラス。中途採用では最低でも550万円以上で、700万円~1,100万円の求人も多い。

ソニーへ転職するために、押さえておくべきポイント

  • 配属先の部署により、激務かそうでないかにかなり違いがあるため注意が必要。
  • 一般に公開されていない求人を知るためにも、転職エージェントを使うのがおすすめ。

3.ソニーってどんな会社?

項目 内容
会社名 ソニーグループ株式会社
代表者 会長 CEO 吉田 憲一郎 社長 COO 兼 CFO 十時 裕樹
本社所在地 東京都港区港南1-7-1
創立 1946年(昭和21年)5月7日
資本金 8,804億円(2023年3月31日付)
主な事業内容 ゲーム&ネットワークサービス、音楽、映画、エンタテインメント・テクノロジー&サービス(モバイル・コミュニケーション/イメージング・プロダクツ&ソリューション/ホームエンタテインメント&サウンド)、イメージング&センシング・ソリューション、金融及びその他の事業。
従業員数 連結:113,000名 (2023年3月31日現在)

事業内容

旧ソニー株式会社は、グループ本社機能とエレクトロニクス事業の本社間接機能を有していましたが、2021年にグループ本社機能に特化した会社として商号を「ソニーグループ株式会社」に変更しました。これに伴い、エレクトロニクス事業の商号を「ソニー株式会社」としました。
ソニーグループは多国籍コングロマリットで、世界首位のCMOSイメージセンサーやゲームなどのハードウェア分野をはじめ、映画・音楽分野にも重点を置いています。

今後の事業展開

ソニーは音を起源として、エレクトロニクス事業、エンタテインメント事業、半導体事業などを長期視点で事業展開しています。今後は特に以下の3点に注力するとしています。
  1. エレクトロニクスとエンタテインメントの事業間連携に加え、エンタテインメント事業間のコンテンツIP(知的財産)でのシナジー創出を後押しする。
  2. コンテンツやテクノロジーなど、各領域でのクリエイションを強化。CMOSイメージセンサーは今後もクリエイションを支えるキーデバイスとして注力。
  3. VRやAIなどのテクノロジーを活用しながら、感動の「場」を現実空間から仮想空間や移動空間に広げる。

海外展開

1960年に米国にソニー・コーポレーション・オブ・アメリカを設立しています。その後、スイス、香港などに展開。1970年にはニューヨーク証券取引所に上場するなど、海外展開の歴史は深いです。関連会社としては、世界に80社以上展開しています。
テレビ、ゲーム、ブルーレイプレイヤー、カメラなどは海外でも有名で、特に人気のある家庭用ゲーム機「PlayStation」シリーズは、全世界累計販売台数5億台を突破しました。
~ソニーについては、ココが魅力~
  • 世界最大手のAV機器メーカーである。
  • 日本のみならず、世界的に強力なブランド力がある。
  • 映画・音楽・金融など、AV機器に頼ることのない事業の多角化を行っている。
~ソニーについては、ココを許容すべき~
  • 垂直統合ではなく、水平分業モデルを導入したことにより、モノづくり体制が弱体化してきている。
  • 復活の兆しはあるが、成長戦略が見えにくい。
完璧な会社なんてありません。ただ、どこが完璧じゃないか知っておくだけで、転職してご自身が活躍する余地もありますし、万が一業績が落ち込んだ際、事前に知っていた分モチベーションダウンを避けられます。

4.ソニーの現役社員・元社員からの評判は?(口コミ)

ソニーの口コミや内部情報について、転職口コミサイトのOpenWorkenライトハウス転職会議キャリコネを参考に紹介します。新卒入社と中途入社では当然差があることを踏まえ、中途入社した人のみの内部情報です。
項目 コメント
給与・福利厚生
  • グレードが上がらなければ給料は上がらない=年齢に応じて上がらない。
  • 役職定年あり。
  • 630万円(27歳/役職無)、750万円(35歳/役職有)、1,300万円(45歳/役職有)
  • 家賃補助や手当は特になく、福利厚生は充実しているとは言えない。
ワークライフバランス
  • 成果さえ出していれば、労働時間については何も言われない。
  • 有給休暇は取得しやすい。
  • 労組が弱い面があり、ノー残業デーでも残業はある。
  • 休日出勤は無いが、家で仕事をしないと追いつかない面がある。
社風
  • 自由闊達。個人が尊重される。
  • 自社の製品を愛する社員が多い。
  • 紳士的な人が多く、怒鳴ったりする社員はいない。
  • 実力主義で、外資系、ベンチャー企業っぽい。
成長機会・キャリア開発
  • 若い社員にはチャンスが与えられる。
  • 個人が尊重されるため、自分の意見を持ち、発信する力が養われる。
  • 社員研修の機会は多い。
  • 海外駐在の機会が多く、語学力を磨くチャンスがある。
入社後のギャップ
  • 個人が独立して仕事をしている。
  • あうんの呼吸や連帯責任など、日本的な社風ではない。
  • BtoBなど、ソニーとしてのブランドが通用しない事業領域がある。
  • 仕事を教わる環境ではなく、自ら学ぶ必要がある。
退職検討理由
  • 管理職に昇格するタイミングを過ぎてしまうと昇給が途切れてしまう。
  • 社風が自由なため、適当な社員も存在する。
  • 早期退職勧奨が多い時期で、社内の雰囲気が悪くなった。
  • 部門の収益性により、その部門自体が無くなることもあり、安定しない。
ワークスタイル
  • 全職場対応の在宅勤務(テレワーク/リモートワーク)制度がある。
  • フレックスタイム制がある。
  • 許可を受ければ副業可。

給与・福利厚生

ボーナスの比重が高いとの意見が多数です。冬のボーナスは各グレードの中心の月給をベースに固定ですが、夏は各事業の利益によって変動し、組織間でかなり差があるようです。給与については年功序列関係なく、実力主義で上がっていくようです。
福利厚生については、家賃手当含め充実していないという意見が多いです。これはちょっと意外かもしれませんね。

ワークライフバランス

成果さえ出せていれば、残業も少なく、有給も取得しやすいようです。ただ、いわゆる日系企業としては異色で、外資系っぽく成果ありきのようです。元々ライフワークバランスはとりやすい風土であったところ、テレワーク環境が整った為に更にワークライフバランスは向上したという意見も見られました。

社風

外資系やベンチャー企業に近いという意見が多数です。自由度が高く、チームワークよりは個人を尊重する社風のようです。いわゆる昔からの日系企業と捉えると、違和感は相当あるようです。

成長機会・キャリア開発

業務に必要なことは教えられる、と思っていては違うようです。個人商店的な色合いが濃く、自ら学んだり協力を仰がないと成長できない環境のようです。一方、所属部署に関わらず、全社的な研修の機会は充実しているようです。