転職活動で、ランスタッドに登録してみようか、と考えている方もいらっしゃるかと思います。人材サービスではアデコに次いで世界2位みたいだけど、日本の転職エージェントとしてはどうだろうかと気になっているかもしれませんね。
このページでは、ランスタッドを使った転職について、どうしたら有益な情報を得られるか、そのうえで転職したいと思ったらどう利用すべきか、現役エージェントの知見から、ランスタッドでの転職について触れたいと思います。
このページを読んでいただければ、ランスタッドを利用した転職についての情報は一通り揃っているかと思います。あなたがランスタッドを使って転職すべきかの判断材料になり、さらに転職したいと思った場合、ランスタッドで理想の転職が実現できる可能性が高まるはずです。
転職活動でランスタッドは使えるのかな?と思っている方向けの記事です。読んで損はないはずですよ。
(アデコに次いで、世界2位とはずいぶん大物だな。)
1.ランスタッドでの転職についての所見まとめ
転職を考える際、押さえるべきランスタッドの特徴
- 外資系・グローバル人材向けの求人が充実している。
- 拠点が多く、地方の求職者にも対応できる。
- 人事目線での情報を発信している。
- コンサルタントのサポートが物足りない。
- 求人に偏りがある。
- 大手転職エージェントと比べると求人数が劣る。
ランスタッドに登録するうえで、押さえておくべきポイント
- 大手転職エージェントと比べると求人数が劣る。
- 人によっては、コンサルタントのサポートが物足りないと感じることがあるかも。
2.ランスタッドって、どんな転職エージェント?
ランスタッドはオランダで設立された世界最大級の総合人材サービス会社であり、世界39の国と地域に4,600以上の拠点を持っています。このグローバルネットワークを活かして、日本でも多くの外資系・グローバル人材向け優良求人を紹介することが可能です。
また、ランスタッドは人材派遣サービスにも力を入れているため全国に拠点があり、地方在住者に対応できることが特徴です。求人の中には転勤なしの地元採用も多数あるので、都市部ではなく地元で転職したいと考えている方にもおすすめの転職エージェントです。
項目 | 内容 |
---|---|
取り扱い地域 | 日本全国、海外 |
面談場所 | 北海道、宮城、山形、福島、茨城、栃木、群馬、東京、神奈川、埼玉、千葉、新潟、静岡、愛知、三重、京都、大阪、兵庫、広島、香川、愛媛、福岡、熊本、宮崎、鹿児島 |
取り扱い業種 | 建設・設備、食料品、アパレル・日用雑貨、化学・素材、医薬品・医療機器、金属・非金属、機械・メカトロニクス、自動車・輸送機器、コンピュータ・精密機器、電気・電子・半導体、エネルギー、旅客・ホテル、物流・ロジスティクス、IT・通信・インターネット、ソフトウェア、ゲーム、商社・卸、その他メーカー、化粧品、流通・小売、銀行・信託銀行、証券、保険、その他金融、不動産、外食・フードサービス、情報・出版・メディア、マーケティング・広告、会計・税理・弁護士・弁理士・社労士事務所、コンサルティング、教育、介護・福祉、人材派遣・人材紹介、アウトソーシング、その他 |
取り扱い職種 | 営業・マーケ系、事務・管理系、ITエンジニア系、Web・クリエイティブ系、製造・技術系、流通・サービス・外食系、金融・不動産系、医薬・医療系、コンサル系、経営管理系、その他 |
求人数 | 2千件以上 ※2023年8月時点 |
特徴 |
|
都市部だけではなく地方で外資系求人を探す方にとって、頼りになりそうな転職エージェントですね。
(いいぞいいぞ。)
3.ランスタッドのメリットは?
外資系・グローバル人材向けの求人が充実している。
ランスタッド自体が外資系企業であり世界中に拠点を持っているため、外資系企業と強いつながりがあります。求人検索の絞り込みで「外資系企業」と「グローバル人材歓迎」を選択すると、370件以上(2023年9月時点)の求人がヒットしました。他にも検索条件に「語学力を活かす」という項目があり、これも併せて検索すると約780件の求人がありました。
また、他の外資系に強い転職エージェントに登録しても面談に呼ばれなかったが、ランスタッドは面談に呼んでくれて情報収集できたという口コミがありました。外資系特化の転職エージェントの場合、英語力がネイティブレベルでないと相手にされないような敷居の高いところもありますが、ランスタッドの場合はその心配はなさそうです。実際の求人を見てみると、外資系企業であっても語学力不要やビジネスレベルのやり取りが出来れば可、などの応募条件がありました。外資系企業やグローバル転職に興味があるけれど、他の転職エージェントで面談を断られてしまった方は、ランスタッドを試してみる価値がありそうですね。
外資系以外においても、20代・30代で業界未経験からチャレンジできる職種の求人を持っている為、新しいことに挑戦してみたい方にも向いています。
拠点が多く、地方の求職者にも対応できる。
ランスタッドは人材派遣サービスも行っている為、全国に拠点を持っています。2019年10月時点で、93拠点(内インハウス拠点数33)となっています。インハウス拠点とは、「ランスタッドの派遣社員でチームを組み大手企業の工場で働く」という派遣独特のスタイルのための拠点です。このインハウス拠点を差し引いても60拠点あるので、かなりの数があると言えます。地方で転職先を探している方には心強いですね。
また、ランスタッドの求人検索絞り込み条件には「U・Iターン歓迎」という項目があります。こちらを選択して検索すると、全求人数の3割にあたる求人がヒットしました。他の転職エージェントでは、この「U・Iターン歓迎」という項目自体がないことが多いので、ランスタッドは地方で転職を考えている方にも対応できると言えます。
人事目線での情報を発信している。
ランスタッドは人材紹介サービスだけでなく、人材派遣サービス、アウトソーシング事業など人材に関わるサービスを幅広く展開しています。その一つとして、公式サイトでは“人事の「いま」と「これから」の変化”を発信しています。(公式サイトの「HR HUB」リンクから閲覧できます。)
「働き方改革」が叫ばれるようになってからビジネスを取り巻く環境の変化は凄まじく、労働市場も時代と共に変化することを求められています。このような中で、ランスタッドは組織と求職者の両方をつなぐものとして、新しい洞察、視点、アイデア、政策課題などを発信しています。企業の人事側に立った情報発信ですが、求職者にとっても興味深いコラムが多いです。
4.ランスタッドで失敗しないために知っておくべきデメリット
コンサルタントのサポートが物足りない。
ランスタッドの口コミを見ると、あまりサポートが手厚くなかった、印象が薄かったという意見がありました。一方で、こまめに連絡をくれた、どの転職エージェントよりも親身だったなどの意見もあり、だいぶバラツキがありました。担当者による違いがかなりありそうです。
公式サイトには「初めての転職を安心サポート」とありますが、社会人経験が浅い第二新卒の方や、転職が初めてで手取り足取り手厚いサポートを望む方は、場合によってはサポートが薄いと感じるかもしれません。
担当の当たり外れは、どの転職エージェントを使ったとしても出てくる問題です。やはり仕事と言っても相性がありますし、コンサルタントの技量自体にバラツキがあることも考えられます。ランスタッドは業界特化型の転職エージェントというわけではないので、担当者によっては詳しくない業界がある、ということもあり得ます。このような場合はすぐに担当の変更を申し出ましょう。転職エージェントではよくあることなので遠慮はいりません。
求人に偏りがある。
ランスタッドに関する口コミで、業界の幅が狭く希望する職種の紹介がほとんどなかったという意見がありました。求人検索画面で職種別の求人数を見てみると、クリエイティブ系、金融系、医薬系の求人は少なめのようです。また、希望する業種の正社員求人が少ない為、紹介予定派遣で働いて正社員を目指すことを提案されたという口コミもありました。
この方のように、業界によっては希望職種の求人が少ないこともあるようです。あまり人の入れ替わりが激しくない業界・職種だとそもそも出回る求人数が少ないので、このような場合は大手転職エージェントにも登録しておいた方が良いでしょう。
さて、首尾よく希望職種の求人を紹介された場合、その企業の口コミを調べたいと思う方もいらっしゃるかもしれませんね。その際、企業の内情を知るために以下のようなサービスがあります。現役社員、元社員の口コミであるため、信用できる情報なのかどうかの問題はありますが、もし共通する内容が多いなら、その求人を担当するコンサルタントの方に事実確認してみるのが良いでしょう。
- OpenWork(旧Vorkers):https://www.vorkers.com/
⇒文字数も比較的長く、しっかりとした口コミが多い印象。
- 転職会議:https://jobtalk.jp
⇒掲載企業数が圧倒的に多い。
- カイシャの評判:https://en-hyouban.com/
⇒無料で手軽。
- キャリコネ:https://careerconnection.jp/
⇒特に「給与」関連の情報が詳しい。
なるべく「新卒社員」は除外し「中途入社社員」の口コミに絞って参考にするのがコツです。また、最低2サイトは利用し、意見の偏りを防ぐことをおすすめします。
大手転職エージェントと比べると求人数が劣る。
ランスタッドは、世界中の様々な地域に拠点を持つ世界最大級の総合人材サービスですが、日本国内に限ってみると、求人数が突出しているわけではありません。そうは言ってもサイト上で公開されている求人数は2千件以上(2023年8月時点)あるので、決して少ないというわけではないです。より多くの求人を見た方が安心できるという方は、リクルートエージェントやdoda(デューダ)などの大手転職エージェントにも併せて登録しておくといいでしょう。
転職口コミサイトを4件紹介しましたが、まずは自分の会社の口コミを見てみるのがおもしろいと思います。
(考えるな。感じるんだ。)
5.ランスタッドの特徴から、向いているのはどんな人?
これまでのメリットやデメリットを踏まえ、ランスタッドの利用をおすすめしたいのは、以下の方です。
都市部だけではなく、地方在住で外資系企業への転職を考えている20代・30代の人外資系の求人は東京などの都市部に集中していることが多いですが、ランスタッドは比較的地方の求人もあり拠点も多いので、地方にお住まいで外資系企業に転職したいと考えている方におすすめです。また、大手の転職エージェントが抑えていない外資系求人を見てみたい方にもおすすめです。
6.ランスタッドの流れ(最初の登録のやり方から求人を紹介されるまで)
転職支援サービスを受けるには、プロフィールや職務経験、保有スキルなどを登録します。
流れは以下のとおりです。
ログイン情報・プロフィール登録:ログイン情報、氏名や住所など
↓
職務経験、資格・免許・語学スキル登録:職務経験、語学スキルなど
↓
希望情報登録:希望職種、希望勤務地など
↓
完了
ランスタッドには人材派遣や単発・短期バイトなど色々なサービスがありますが、ここで説明するのは「キャリアアップ転職」についてです。年収800万~3000万円以上のハイクラス転職をお考えの方は、ランスタッドの「プロフェッショナル転職」に登録することをおすすめします。
ランスタッドでは登録の際、職務経歴や保有スキルなどを詳しく入力する必要があります。履歴書や職務経歴書があればファイルの添付で済むので、ぜひ準備しておきましょう。
具体的に画面で見てみましょう。
ログイン情報・プロフィール登録
公式サイトの「キャリアアップ転職」内「ランスタッドに登録(無料)」リンクより登録します。
入力内容は以下のとおりです。
- 氏名
- 生年月日
- 性別
- 住所
- 電話番号
- 最終学歴(学校名、卒業年・区分)
ここではログイン情報の設定と、基本情報を登録します。会員登録の段階では、住所は都道府県のみ登録する転職エージェントも多いですが、ランスタッドでは番地まですべて登録します。ここまではよくある基本情報の入力なので、サクサク進めましょう。
職務経験、資格・免許・語学スキル登録
次に、現在または直近の職務経験や、保有スキルについて登録します。
入力内容は以下のとおりです。
- 現在の状況(現職中/離職中/就業経験なし)
- 直近の年収
- 会社名
- 勤務期間
- 雇用形態
- 業種
- 職種 ※複数登録可、経験年数も登録
- 業務内容(500文字以内)
- その他の職歴
- 転職回数
- 英会話(該当なし/簡単な日常会話(TOEIC500点以上)/日常レベル(TOEIC700点以上) /ビジネスレベル(TOEIC800点以上))
- TOEICスコア
- TOEFLスコア
- その他の外国語 ※複数登録可、レベルも登録
- 資格・免許 ※リストから選択
- その他の資格・免許
入力することが結構多いですね。職務経験や保有スキルについて詳細に登録する必要があります。「業務内容」や「その他の職歴」は任意入力ですが、より希望に沿った求人を紹介してもらうためにも入力したほうが良いです。
ただ上記に挙げた項目は、履歴書・職務経歴書がない方が入力する項目です。履歴書類をお持ちの方はいちいち入力する必要はなく、ファイル添付できます。履歴書・職務経歴書・英文レジュメ・その他を各種ファイル形式でアップロードすることが可能です。
履歴書や職務経歴書を作成していない方は、これを機に作成しましょう。最終的には必ず必要になりますし、スキルなどを一つ一つサイト上で登録するより職務経歴書をアップロードする方が断然ラクです。
希望情報登録
入力内容は以下のとおりです。
- 希望業種 ※3つまで登録可
- 希望職種 ※3つまで登録可
- 希望勤務地 ※複数選択可
登録完了
以上で登録は完了です。登録後、5営業日以内に担当コンサルタントから連絡が入ります。何となく転職を検討しているけれど、まだやりたい仕事が見つかっていないという方でも大丈夫です。まずはコンサルタントに相談して、キャリアプランを一緒に考えてみるのもいいかもしれませんね。客観的に自分を見ることができ、新しい気づきが得られることもあります。
7.ランスタッドを上手に使いこなすためのコツ・注意すべきポイント
ここからは、実際にランスタッドに登録完了した後の話になります。
ランスタッドの担当者から、面談の誘いについての連絡が入ります。その後面談を行うわけですが、そこからの注意点をお伝えします。
仕事観や人生設計含め、転職エージェントに対しては、本音トークを心がけましょう。
転職希望者にとって、転職は人生を賭けた勝負です。そのため、転職エージェントとは最初から本音トークを行いましょう。隠し事はもちろん遠慮して本音を伝えないと、後から「お互い時間の無駄」になってしまいます。
転職エージェントから紹介された求人情報に断りを入れる際は、次につながる断り方をしましょう。
転職エージェントとの面談時、もしくはその後日、転職エージェントからあなたの希望に合うと思われる求人情報の紹介を受けます。その際、「うーん、この会社か、あんまりいい話聞かないな。。」とか「うーん、この会社にはすごく入りたいんだけど、この仕事はちょっとな。。」と思う時が必ず訪れるでしょう。その際は、転職エージェント側の気持ちを踏まえ、以下のように次につながる断り方をしましょう。
- 断りを入れる前に、その求人情報が自分に合うと、どの点で判断したのか聞いてみる。そのうえで、自分の希望に合わない点を伝えたうえで断りを入れる。
- その会社で働いている(働いていた)知人や友人がいて、内情を聞いている限りどうしても興味が湧かない、と伝えたうえで断りを入れる。
- 理由を伝えることなく断りを入れる。
- 最初の対面時ではなく、後日メールでの紹介があった場合、そのメールを無視して返信しない。
転職エージェントから紹介された求人情報に興味を持った場合、その求人情報の背景を把握しましょう。
転職エージェントとの面談時、もしくはその後日、転職エージェントからあなたの希望に合うと思われる求人情報の紹介を受けます。その際、「お!これはぜひ受けてみたい!」という瞬間が訪れることがあるでしょう。その際は、転職エージェントに対して、あなたがその求人に興味を持っていることを伝えるとともに、併せて以下のように質問してみましょう。
- なぜ中途社員が必要なのか(例、新しいポジションか、既存社員が辞めた埋め合わせか、業績向上による人員増強か、など)
- いつ頃から募集しているのか。
- 現時点で決まっていない理由は何なのか。
- 面接に受かる人にはどんな傾向があるのか。逆に落ちる場合はどんな傾向があるのか。
転職エージェントの担当者と合わない場合は、担当者変更を要求しましょう。
転職エージェントから求人情報の紹介が始まった後が一般的ですが、次のような場合は担当者に直接、担当者変更を依頼しましょう。
- うまく付き合おうと努力を重ねたが、人間としての相性も含め自分とは合わない。
- 見当違いの企業ばかり紹介してくる。
- 求人情報について、担当者自身が詳細把握できていない。
- メール返信等、対応がとても遅い。
- (これは必須です!)これまでサポートしてもらった感謝の気持ちを伝える。
- 転職活動に慣れていないため不安が大きく、「他の担当者の意見も聞きたい」と伝える。要するに、その担当者に外れて欲しいのではなく、別の担当者の意見も聞きたいと伝える。
主導権は転職エージェントではなく、あなたにあることをしっかり肝に銘じましょう。
これが一番重要なのですが、転職エージェントと面談を行い、その後コミュニケーションを続けていく中で、あなた自身の気持ちや担当者との相性によって、「何のために転職活動をしているのか」よく分からなくなってしまう場合があります。
転職エージェントはあなたの味方なので、本音で接しつつ協力してもらうためにきちんとビジネスライクに付き合えば何の問題もないってことですね。
(お頼み申します!)
8.まとめ:評判の良し悪しは、都市部もしくは地方在住で外資系求人に興味があるかどうかによる。
ランスタッドについて、必要な情報は全て提示しました。
ランスタッドは全国に拠点がある為、外資系企業やグローバル転職に興味のある都市部もしくは地方在住の方や、U・Iターンを考えている方には間違いなくおすすめです。またランスタッドには様々なタイプの外資系求人があるので、外資系求人に特化したハイキャリア向け転職エージェントだと気後れしてしまう方にもおすすめです。LHH転職エージェントとよく比較されますが、登録するための入力内容は同じですし、どちらも無料です。両方利用して、転職市場価値を知るための情報収集として使ってみても良いのではないでしょうか。
理想の転職が実現できるよう、少しでも参考にしていただければ光栄です。
ランスタッド、転職に使えそうでしたか?引き続き活動がんばりましょう!
(ごちそうさまでした!)