中途採用で、デンソーに転職したい、と考えている方はいらっしゃるのではないでしょうか。日本を代表する自動車部品メーカーです。
転職するために、「本当に大丈夫なのか?」と情報を探してみても、転職サイトやその企業のサイトには表向きの情報しか無いのは間違いありません。また、最近口コミ系のサイトが流行っていますが、それを見てみたとしても、そのサイト自体に登録するためのハードルもあり、登録したとしても情報量が膨大で見るのも大変です。結果、本当に転職して大丈夫なのか?と思ってしまうでしょう。
その一方で、この方法なら失敗しないという唯一無二のやり方が、単純ですがあります。
このページでは、デンソーへの転職について、どうしたら正確な情報を得られるか、そのうえで転職したいと思ったらどう対処すべきか、現役エージェントの知見から、デンソーへの転職について触れたいと思います。
このページを読んでいただければ、デンソーへの転職についての情報は一通り揃っているかと思います。あなたがデンソーに転職すべきかの判断材料になり、さらに転職したいと思った場合、デンソーに理想の転職が実現できる可能性が高まるはずです。
ちゅうちゅう

デンソーに転職したい方向けの記事です。ちょっと長いですが、読んで損はないはずです。

リアルリアル

(デンソー。うおォンうおォン。)

次章以降で詳細について触れますが、デンソーへの転職についての所見をまとめます。

転職を考える際、押さえるべきデンソーの特徴

  • 世界第二位の売上規模を誇る、グローバルな自動車部品メーカー。
  • 真面目で法令遵守意識が高く、製品の品質と安全管理については徹底的にやる社風。
  • 生産性手当などがあり、メーカーの中でも高い給与水準。
  • 幅広い職種で多数の求人があるが、特にエンジニアを広く募集。
  • 詳細に分かれた募集となっており、応募要件は様々。
  • 残業の量は部署によってバラツキがあるが、有休は取得しやすい。
  • スポーツ活動の支援を行うなどスポーツに関心があり、社内運動会がある。

デンソーへ転職するために、押さえておくべきポイント

  • 残業時間は部署によってかなり異なり、製造現場に近い部署であればあるほど仕事に追われる傾向があるようなので、注意が必要。
  • 一般に公開されていない求人を知るためにも、転職エージェントを使うのがおすすめ。

2.デンソーってどんな会社?

項目 内容
会社名 株式会社デンソー
代表者 取締役社長 有馬 浩二
本社所在地 愛知県刈谷市昭和町1-1
設立 1949年12月16日
資本金 1,875 億円(2019年3月31日現在)
主な事業内容 自動車部品、システム、自動車技術を中心に、生活・産業関連機器なども展開する自動車部品メーカー。
従業員数 単体:45,304名 連結:171,992名(2019年3月31日現在)

事業内容

デンソーは、グローバルな自動車部品メーカーとして国内外を問わず事業を展開しており、世界第二位の売上規模を誇っています。自動車関連分野を中心に、生活・産業関連機器など自動車技術を応用した様々な事業を展開しています。
  • 自動車関連分野:パワトレイン事業、電子事業、熱事業など。
  • 生活関連機器分野:給湯機、住宅用全館空調など。
  • 産業機器分野:産業用ロボットなどのFA機器、ICカードなどの自動認識関連機器。
  • その他新事業分野:エネルギーマネジメント、農業(ハウス環境制御システムなど)、セキュリティなど。
デンソーは、世界の様々なカーメーカーに製品を提供しており、クルマに搭載されているエアコンシステムや、HVEVなどの駆動に必要な電動化システム、クルマの安全性向上に欠かせない画像センサーやミリ波レーダーなど、数多くの製品があります。

今後の事業展開

デンソーは、2030年の目指す姿として「長期方針」を策定しており、「地球に、社会に、すべての人に、笑顔広がる未来を届けたい。」というスローガンを掲げています。このスローガンを達成するために、以下の4つの分野に注力するとしています。
  1. 電動化
  2. 先進安全/自動運転
  3. コネクティッド
  4. 非車載事業(FA/農業)
デンソーは、これまで環境にやさしく快適な電動化車両システムの開発に取り組んできました。今後は、幅広い事業領域を活かし、車内のあらゆるシステムや製品をつなぎ、クルマの中のエネルギーを効率よくマネジメントすることで、さらなる燃費性能の向上や省電力化を目指すとしています。また、自動車分野で培ってきたモノづくりの知見やノウハウを活かし、農食産業界の生産性向上に貢献するとしています。

自動運転

自動運転は、どの段階まで自動化されているかによって、5段階にレベル分けされています。
  • レベル1 運転者支援:車両の加速、前後方向または左右方向のいずれかの操作が自動。
  • レベル2 部分的自動運転:車両の加速、前後方向と左右方向の両方の操作が自動。
  • レベル3 条件付き自動運転:レベル2にプラスして、運転環境の監視、安全運行のための適切な対応も、車両側で自動的に行なわれる。車両側で対応できない場合、ドライバーに操作が戻される。
  • レベル4 高度自動運転:レベル2にプラスして、運転環境の監視、安全運行のための適切な対応も、車両側で自動的に行なわれる。車両側で対応できない場合、リスクが最小となるよう可能な限りの制御が行なわれる。
  • レベル5 完全自動運転:すべての操作が車両側で行われる。場所や自然環境などによって運用が制限されることはない。
また、クルマの運転という行為を細分化していくと「認知」、「判断」、「操作」の3つの段階に分けることができます。この「認知」を支えるものとして、ミリ波レーダー、レーザーレーダー、画像センサーなどがあり、デンソーはこれらの開発を進めています。

3.デンソーは、転職者に対してどんな人材を求めている?

募集職種

中途採用で募集中の職種は、営業、企画、生産技術、研究開発、回路・機械設計など多岐にわたっています。現時点では幅広い職種で多数の求人があるようです。
特に技術系の職種は多くの募集があり、ソフトウェア開発、各種設計、材料開発、半導体開発、センサー開発などの募集があります。応募資格は職種により様々であり、開発経験5年以上やTOEIC600点以上などの必須要件がありました。

求める人材

デンソーの採用情報ページには、求める人材像として以下のメッセージが寄せられています。

自ら学び、自ら考え、新たな価値の実現に向けて挑戦し続けていく人材

 仕事の中で実現したい夢・志を持ち、高い目標へ挑戦し続けていく

強い好奇心を持って広く物事を学び、前提や常識にとらわれず柔軟に発想する

周囲と一歩踏み込んだコミュニケーションを行い、互いの個性を高め合う』

また、デンソーには、1949年の設立以来培ってきた価値観や信念を明文化し、世界中のデンソー社員と共有したデンソースピリット「先進」、「信頼」「総智・総力」があります。
これらのメッセージから
  • 自ら社会の変化を敏感に察知し、将来求められるニーズを考えられる人材
  • 柔軟な発想と豊かな想像力を持ち、新しい価値を生み出せる人材
  • 正しく現状を把握し、誠実に現状より少しでも上を目指せる人材
を求めていると考えられます。
また、デンソーの採用情報ページには、社員の方のインタビューが紹介されています。どこの部署の社員が、日頃何を考え、どのように仕事に取り組んでいるのか、人間性も含め感じることができるでしょう。あなたが興味のある事業に取り組む社員の方の意見は、書類・面接対策においても必ず目を通しておきましょう。他にも、キャリア入社座談会やキャリア入社アンケートなどがあり、なかなか興味深いものとなっています。キャリア支援制度などについても載っているので、一度じっくり見てみることをおすすめします。

給料(年収)

平均年間給与:812万円(2019年6月現在)
平均年齢:43.4歳(2019年6月現在)
平均勤続年数:22.6年(2017年現在)

労働時間

平均残業時間:28~30時間/月
働き方改革により、残業時間は減りつつあるようです。部署によってバラツキがあるようで、月25時間程度の残業でちょうどよいという声や、残業が多く早く帰りにくい雰囲気だなど色々な意見がありました。ただ、残業代はきちんと支払われており、残業時間に上限も定められているようです。製造現場に近い部署であればあるほど、突発業務や短納期の仕事に追われ残業が多くなる傾向があり、それ以外の部署では比較的残業は少ないようです。
ちゅうちゅう

自ら学び、考え、新たな価値の実現に向けて挑戦し続けていく人材を求めているようですね。幅広い職種で多数の募集があり、特に各種エンジニアを広く募集しているようです。

リアルリアル

(いいじゃないか。)

4.デンソーの求人情報にはどんな傾向がある?

転職サイトを各種調べたところ、経理、企画、モビリティシステムの設計・開発、各種エンジニアなどの求人がありました。その求人を調べると、以下の傾向があります。
  • 求人数が大変多い。
  • 開発、設計、SEなどエンジニアを幅広く募集。
  • 学歴、英語力を問われる募集も多数ある。
デンソーは、電動化領域のリーディングカンパニーを目指して採用を強化しているとのことで、とにかく求人が沢山あるようです。「自動車用コンビネーションメータの製品ソフト開発設計」や「自動車用半導体のパッケージ実装技術開発」などのように、具体的かつ詳細に分かれた募集が多いです。求められる必要業務経験なども様々ですので、自身のスキルを活かせる求人が見つかるかもしれません。
ただ、これはあくまで一般に公開されている求人であり、非公開の求人というものがある可能性があります。
例えば、転職エージェントのdodaの場合、非公開求人が公開求人の3倍以上の規模に上るため、doda非公開求人の方には他の技術系・事務系職種も含まれている可能性があります。
ちゅうちゅう

幅広い職種で募集があるようですが、隠れ求人の存在は気になるところです。

リアルリアル

(いわゆる裏メニューってやつか。悪くない。)

5.デンソーの現役社員・元社員からの評判は?(口コミ)

口コミや内部情報を以下にまとめました。新卒入社と中途入社では当然差があることを踏まえ、中途入社した人のみの内部情報です。
※参照元:OpenWork、enライトハウス、転職会議、キャリコネ他

項目 コメント
給与・福利厚生
  • 基本的に年功序列。
  • 役職が同じ場合、評価による給与の差は少ない。
  • メーカーの中では高い給与水準。
  • 直営の保養所がある。
ワークライフバランス
  • 残業規制が厳しく、バランスを調整しやすい。
  • 有休は全て消化することを強く奨励される。
  • 部署による差が大きい。
  • 定時で帰りにくい雰囲気がある。
社風
  • 仲間意識が強く、チームワークで仕事をする文化。
  • 昔ながらの日本の大企業。
  • 真面目で愛社精神の高い人が多い。
  • 保守的で安定感のある社風。
成長機会・キャリア開発
  • 大企業ならではの調整力が身につく。
  • 若いうちから大きな仕事を任される。
  • 海外で活躍するチャンスが比較的多い。
  • 社名が通っているので、社外での人脈形成がしやすい。
入社後のギャップ
  • 製造業独特の工場文化のようなものが根付いている。
  • 部署によってはグローバルな仕事に携われない。
  • 開発スピードが非常に遅い。
  • 大企業過ぎて、一種の歯車的存在でしかなかった。
退職検討理由
  • スピード感を持って業務を進められない。
  • 社内調整や顧客折衝ではなく、技術の仕事をしたかったから。
  • 愛知県という閉鎖的な文化に馴染めなかった。
  • 上が詰まっていて昇進が遅れたため。
ワークスタイル
  • フレックス制度を活用した時差出勤を推奨。
  • 在宅勤務(テレワーク/リモートワーク)の推奨。
  • 国内の不要不急の出張は控え、Web会議を実施。
  • 出社前に検温し、37℃以上の発熱がある場合は自宅待機。

給与・福利厚生

他のメーカーよりも給与水準が高く、満足している方が多いようです。生産性手当という特徴的な手当があり、3万円から4万円程度が基本給に毎月プラスされるようです。この手当ては、会社の利益を従業員に還元しているものであり、かなり大きい手当て額だと感じるという意見がありました。
福利厚生も充実しているという意見が複数ありました。トヨタグループのスケールメリットを利用した福利厚生・保険制度等が手厚く、資格取得・余暇活動なども割引価格で利用できるとのことです。年間70,000円程度のカフェテリアプランがあり、旅行や社食の利用費として使用することができ、これで海外旅行へ行く方も多いそうです。

ワークライフバランス

部署による差が大きく、比較的バランスが取りやすい部署もあれば残業が日常化している部署もあるようです。ワークライフバランスが取れている部門では、残業規制があり有休取得目標もあるなど、従業員に対するケアがあるとのことです。
一方、企画系の部門に配属されると、場合によっては年間500600時間程度の残業が発生する部署もあるなど、社内で差が大きいという意見がありました。とは言っても、世間一般でいうブラック企業とは程遠く、前職から比べれば相当ワークライフバランスは良くなったと感じている方もいらっしゃいました。

社風

真面目でコツコツと仕事をこなす方が多いようです。製品の品質と安全管理については本当に徹底的にやる社風であり、それが社員一人一人に根付いているという意見がありました。反面、ITや技術革新の導入に関しては守りの文化が強く、どうしても新しい開発には攻めの姿勢に入れず開発スピードが遅いと感じている方もいらっしゃいました。同様に、ベンチャーのような新しい意見や発想を具現化する環境はあまりなく、現状からのわずかな改善の方が受け入れられやすいという意見がありました。また、運動会などのイベントが多い会社のようです。