このページでは、JAXAへの転職について、どうしたら正確な情報を得られるか、そのうえで転職したいと思ったらどう対処すべきか、現役エージェントの知見から、JAXAへの転職について触れたいと思います。
JAXAだけに絞った転職活動はあまり現実的ではないでしょう。JAXA以外にも宇宙航空関連の仕事ができる会社はあるので、まずはそこで経験を積むのがいいかもしれません。また、別の会社に入ってJAXAに関連した仕事をするというアプローチもあります。
2.JAXAへの転職についての所見まとめ
次章以降で詳細について触れますが、JAXAへの転職についての所見をまとめます。
転職を考える際、押さえるべきJAXAの特徴
- 日本で唯一の宇宙航空分野における研究開発機関。
- 真面目で優秀な社員が多く、公務員と同等の福利厚生がある。
- ロケットの研究開発、人工衛星の研究開発、航空科学技術などの求人がある。
- 中途採用以外に、教育職採用、任期制の宇宙航空プロジェクト研究員採用、招聘職員採用等がある。
- リモートワーク、フレックス制度、副業可など自由に働ける環境が整っている。
- 給与は国と連動、人事院勧告により毎年上下する。
JAXAへ転職するために、押さえておくべきポイント
- 国立研究開発法人という特殊な団体であり、役所的な仕事が多いなど一般企業とは違う面があるので注意が必要。
- 一般に公開されていない求人を知るためにも、転職エージェントを使うのがおすすめ。
3.JAXAってどんな組織?
項目 |
内容 |
組織名 |
宇宙航空研究開発機構(JAXA) |
代表者 |
理事長 山川 宏 |
本社所在地 |
東京都調布市深大寺東町7-44-1 |
設立 |
2003年10月1日 |
資本金 |
5,442億円 |
主な事業内容 |
地上-宇宙間の輸送システムの開発・運用、人工衛星、宇宙科学の研究、宇宙探査、航空技術の研究、基盤技術の研究開発等。 |
職員数 |
1,635名(2024年4月1日現在) |
事業内容
2003年10月、宇宙科学研究所(ISAS)、航空宇宙技術研究所(NAL)、宇宙開発事業団(NASDA)の3機関が統合し、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が発足しました。JAXAは宇宙航空分野での技術革新だけでなく、次世代の航空機の研究など産業・社会に役立つ技術を提供しています。また、世界の宇宙航空事業を担う人材を育てるための教育支援活動なども行っています。
今後の事業展開
JAXAは、宇宙基本計画及び研究開発計画等に基づくプロジェクトの確実な実施や基盤的な研究開発の推進など多くの実績を上げてきました。これらの実績を踏まえ、今後は5GやAIなどの先端技術の加速度的な進歩を見据えつつ、以下の4つの取組方針におけるアウトカムの創出を目指すとしています。
- 安全保障の確保及び安全・安心な社会の実現
- 宇宙利用拡大と産業振興
- 宇宙科学・探査分野における世界最高水準の成果創出及び国際的プレゼンスの維持・向上
- 航空産業の振興・国際競争力強化
国際的な取り組みと貢献
JAXAでは、衛星利用、有人活動、宇宙科学、宇宙探査などの取り組みにおいて、海外宇宙機関や国際機関等との間で国際協力を推進しています。また、アジア・太平洋地域においては、文部科学省や地域の宇宙機関と協力し、アジア・太平洋宇宙機関会議(APRSAF)を開催しています。APRSAFで採択された、SDGs達成にも貢献する「名古屋ビジョン」の実現を目指して事業を展開しています。
4.JAXAの現役社員・元社員からの評判は?(口コミ)
項目 |
コメント |
給与・福利厚生 |
- 給与は国と連動、人事院勧告により毎年上下する。
- 研究職6年目で年収500万円ほど。
- 給与は安定していて、公務員給与+αがベース。
- 住宅手当や勤務地手当が出る。
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ワークライフバランス |
- 自分自身をマネージメントできればバランスが良い。
- 気軽に有休を取れる。
- 事務職ではバランスを取りやすい。
- 衛星開発やロケット開発のプロジェクトは忙しい。
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社風 |
- 縦割りの組織。
- 法令遵守意識が高い。
- 役所的なところがある。
- 真面目な人が多い。
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成長機会・キャリア開発 |
- 各自で研究テーマを考えて、日々取り組んでいく必要がある。
- 事務系は様々な部署を2、3年で異動する。
- 世界最先端の技術に携われる。
- 広い知見とコミュニケーション力、マネジメント力が身についた。
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入社後のギャップ |
- 人を巻き込む力が必要。
- 中途採用の多くは期限付きの雇用である。
- 思ったよりお役所仕事が多い。
- 調整や書類仕事も多い。
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退職検討理由 |
- 任期切れの為。
- 自身のステップアップの為に転職した。
- 別のキャリアを積みたくなった。
- 公務員体質だったから。
|
ワークスタイル |
- 在宅勤務(テレワーク/リモートワーク)が普及している。
- フルフレックスタイム制度がある。
- 時差勤務制度がある。
- 時短勤務が可能。
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給与・福利厚生
賞与、昇給、各種手当などはほぼ国家公務員に準じた制度となっているようです。基本的に年功序列で少しずつ上がり、評価が直接給与に反映されることはほとんどないようです。年齢・職位が上がっても、給与の伸び率は高くないという口コミもありました。
福利厚生も、給与と同様に公務員のものと近く、きちんと整っているようです。様々な手当てが充実しており、基本給の割には年収が多かったという口コミがありました。
ワークライフバランス
ワークライフバランスを管理する組織があり、いろいろ目配りしているようです。ロケット打上や事故などの際は大幅残業があるようですが、普段はワークライフバランスを取りやすいようです。育休制度などワークライフバランスに関わる政策を素直に反映しているという意見もありました。研究職の場合は、人によっては研究にのめり込んでしまうこともあるようです。
社風
期限付き社員や企業からの出向者、請負社員が多く、純粋な正社員は少ないようです。基本的に真面目な研究者、技術者の集団で、安定した身分のもとで仕事に打ち込めるという声がありました。そのほか、省庁に倣った組織文化が大きい、地頭がよく発想力のある人がいる等の口コミがありました。
成長機会・キャリア開発
宇宙開発はやりがいの塊のような仕事で、入社してしばらくは毎日が刺激的だったという声がありました。JAXAの職場環境にいるだけで、いくらでも成長できるという意見もありました。内閣府、文科省などの各省庁や、海外宇宙機関、国連宇宙部、民間企業(宇宙産業等)に出向することもあるようです。
入社後のギャップ
専門性は必要だが調整や書類仕事も多いので、実際にどんな仕事を求められているのか確認した方が良いという口コミがありました。思ったより役所的な仕事が多い、宇宙に対する憧れを強く持っていると実際の業務内容と乖離する可能性があるなどの意見もありました。そのほか、特に入社後のギャップはなく妥当であったという意見もいくつか見られました。
退職検討理由
期限付きの雇用であった為、退職したという理由がいくつかありました。またJAXAというと華々しいイメージがあるが、実際は典型的な公務員体質・日本企業体質なので若手が辞めるという口コミがありました。現職への不満はないが、これまでの経験を活かして新しい環境でさらに成長したいという前向きな理由も見られました。
ワークスタイル
基本的に在宅勤務(テレワーク/リモートワーク)をかなり推進しており、業務もオンラインで完結することが多いようです。コアタイムなしのフレックスも使えるので、多様な働き方ができるという意見がありました。ただ、上司の考え方や仕事内容によっては、ほとんど出社となる部署もあるようです。
ちゅう
給与は人事院勧告により毎年上下するものの、振れ幅は小さく安定しているようです。柔軟な働き方が認められており、自分の裁量で業務量の調整もできるようです。
リアル
5.JAXAは、転職者に対してどんな人材を求めている?
募集職種
中途採用で募集中の職種は、ロケットの研究開発、人工衛星の研究開発、航空科学技術、基盤技術、経理などがあります。現時点で受付終了している求人も表示されているのでご注意ください。
中途採用以外に、教育職採用(研究の遂行と併せて、大学院学生の教育・指導ができる人材を募集)、宇宙航空プロジェクト研究員採用(任期制職員)、招聘職員採用(高い学識と経験を有し、その専門性を活かすことのできる人材を募集)等があります。そのほか、補助的な業務を行う事務支援職員採用もあります。
いずれも高い専門性が求められ、成果発表(国内外の学会、シンポジウム、ワークショップなど)に対応可能な英語能力や、海外での業務経験が必要な場合もあります。職種によっては宇宙航空分野の経験の有無は比較要素ではなく、それぞれの観点からの選考となります。
求める人材
- 宇宙航空分野に限定せず多種多様な分野から、改革力と実行力、高い専門性を持つ人材を求めている。
- 基本的に、募集職務に応用できる分野での実務経験が3年以上必要。
- 宇宙航空プロジェクト研究員は、博士号取得者(採用時点で博士号取得から5年以内)か、同等の研究能力を持つ人が対象。
長期に亘り宇宙航空研究開発機構(JAXA)の業務に従事し、今後展開する宇宙航空分野における研究開発に貢献することを前提として、宇宙航空分野に限定せず多種多様な分野から、改革力と実行力、高い専門性を持つ人材を求めています。
引用元: JAXA採用情報ページ
JAXAの採用情報ページには、職員の紹介や事業紹介が載っています。どこの部署の職員が、日頃何を考え、どのように仕事に取り組んでいるのか、人間性も含め感じることができるでしょう。あなたが興味のある事業に取り組む職員の方の意見は、書類・面接対策においても必ず目を通しておきましょう。
給料(年収)
平均年間給与:867万円(2022年度)
平均年齢:45.6歳(2022年度)
平均勤続年数:ー
常勤職員のデータとなっています。
労働時間
平均残業時間:22~34時間/月
業務が落ち着いている時は皆が定時で帰るなど、慢性的に忙しい状況ではないようです。柔軟な働き方ができる環境なので、自分の都合に合わせて労働することが可能だという口コミもありました。残業がある場合でも厳しく管理されており、過労になることはないようです。
ちゅう
研究開発の求人がメインとなっているようです。どの職種も高い専門性が必要とされており、特にプロジェクト研究員は、博士号取得者もしくはこれと同等の研究能力を有していることが応募条件となっています。
リアル
6.JAXAの求人情報にはどんな傾向がある?
転職サイトを各種調べたところ、JAXAの求人は見つかりませんでした。
ただ、これはあくまで一般に公開されている求人であり、非公開の求人というものがある可能性があります。
例えば、転職エージェントの
dodaの場合、
非公開求人が公開求人の3倍以上の規模に上るため、
dodaの
非公開求人の方には他の技術系・事務系職種も含まれている可能性があります。
ちゅう
現時点で転職サイトにて公開されている求人はありませんが、隠れ求人の存在は気になるところです。
リアル
7.JAXAの選考対策
JAXAの面接では、高い専門性を持った優秀な人材であるかを重視しているようです。宇宙航空分野での業務経験は特に気にしていないようで、職種ごとに求められている能力や経験があれば挑戦可能です。
プロジェクト研究員の場合は、国際学術論文誌に投稿を行った経験や国際会議の場で議論できる英語能力、宇宙工学に関する知識などが必要であり、応募要件は相当ハイレベルです。
選考ステップ
JAXAの選考ステップは、以下のように進みます。詳細に見ていきましょう。
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応募・書類・録画選考
JAXAの応募方法は大まかに言って、公式サイトから直接自分で応募するか、転職サイト・転職エージェント経由で応募するか二通りの方法があります。JAXAの公式サイトから応募するのもよいですが、ハイクラス求人を取り扱う
ビズリーチや
doda X
のような転職エージェントに登録するのがおすすめです。
JAXAのエントリーは動画録画形式となっています。質問に対して動画を録画しながら回答し、この動画の提出をもってエントリー完了となります。動画選考は海外では既に多くの企業が導入しており、日本でも航空、商社、エンタメなどの業界で導入が始まっています。動画選考が初めての方は戸惑うかもしれませんね。転職エージェントに相談すると、注意点や練習方法などを教えてもらえます。
面接(2回)
基本的にオンラインで2回の面接が行われます。対面面接を希望の場合は個別調整も可能です。1回目の面接通過後、1ヶ月前後で次回面接の案内が届きます。2回目の面接結果は最大5週間程度かかるとのことなので、急ぎで転職したい方や他企業の選考がある方は注意が必要です。
招聘職員の場合は、特に変わった質問はなく、直属の上司となる面接官と1時間もかからない程度のあっさりとした面接だったという口コミがありました。志望動機とこれまでの経歴をしっかり話せれば大丈夫のようです。
技術職や研究員の場合は高い専門性が問われるので、これまでの成果をしっかりまとめておきましょう。職種によっては陸上無線技術士、高圧ガス製造保安責任者免状、放射線取扱主任者免状などの各資格を保有していることや情報処理技術者試験に合格していることなどが必要です。論文の提出が必要な場合もあります。
選考の口コミ
会計関連職
事務
研究・開発
論理的に返答することが求められる。理路整然としていないと詰められる。
経理
口コミが少なく確かなことは分かりませんが、かなり前の口コミによると、JAXAの面接は緊張を強いられるような雰囲気のようです。新卒採用の口コミでは、圧迫面接気味だったという意見もありました。厳しい面接かもしれないと予め割り切って面接に臨んだ方が、良い結果が出せるかもしれませんね。
8.JAXAへの転職を成功させるには?
ここまで読んで、JAXAへの転職意欲は高まりましたか?
JAXAに転職する方法で一番おすすめしたいのは、転職エージェントの活用です。
※転職エージェントとは?
「エージェント」というのは、いわゆる「代理人」です。転職エージェントは、転職希望者と中途採用の求人を出している企業とをつなげるのが役割です。転職エージェントは、採用が成功した場合に企業から手数料がもらえるので、転職希望者からはお金をもらいません。そのため無料で利用できるサービスです。これらのサービスは、サイト上で登録をすると転職エージェントの方から面談の誘いがメールで来ます。そのうえで日程を調整してその転職エージェントの企業に訪問し、面談を行います。面談では、「具体的に転職を考えているのか」「なぜ今の会社を辞めようと思っているのか」「どういった会社に移りたいと思っているのか」というような質問があり、それに答えていくかたちになります。転職エージェントに登録する転職希望者は、「一刻も早く転職したい」という人もいれば、「特にまだ転職は考えていないが、良い求人があれば転職したい」など様々な思いを抱いています。そのため、面談で「具体的に転職を考えているのか」という質問に対して、「今は情報収集している段階です。」と答えても、まずイヤな顔はされないと思って大丈夫です。
では、JAXAに転職する場合に転職エージェントを活用すべき理由ですが、以下4点です。
- 一般には公開されていない、JAXAの求人情報について入手できる可能性がある。
- 書類選考・面接について、JAXAに特化した対策を行ってもらえる。
- 年収など、求人企業との待遇面の交渉について代行してもらえる。
- 転職後に実際に配属される部署の実態について、詳しい情報を教えてもらえる。
一般には公開されていない、JAXAの求人情報について入手できる可能性がある。
例えば
dodaの場合、サイト上で公開されている求人の3倍以上もの非公開求人を取り扱っています。
※転職エージェントはなぜ全ての求人を公開しないのか?
転職エージェントは全ての求人を公開しない、というよりは公開できないのです。これはなぜかと言うと、企業は人ありきとよく言われますが、あくまでビジネスあってこその人と言うこともできます。要するに、既存ビジネスの強化・新規ビジネスの創出を行うために人が必要なのです。そのため、特に新規ビジネスについては、開始する前、もしくは開始して間もなくは他社にそのことを知られたくありません。中途採用の募集を行ううえでも、自社のサイトはもちろん、転職サイトにもその情報を載せたくないのです。そうすると、転職エージェントにそのような中途採用求人が集まることになります。なぜ転職エージェントなのかと言うと、転職希望者個人と対面する必要があり、情報をオープンにする必要が無いからです。ちなみに、公開されている求人と比べて、戦略的な採用という色が濃いため年収やポジションも好条件のものが多いのが一般的です。
転職エージェントの大手であればあるほど、JAXAの非公開求人も取り扱っています。
あなたのような転職希望者の適性に応じて提示してくれますし、適性に合う求人が無い場合でも、JAXAに対して適性に合う求人が無いか、あなたを売り込みに行ってくれることもあります。
そのため、JAXAのサイトや転職サイト・転職エージェントのサイト上の求人を見て、自分に合う求人が無い場合には、非公開で取り扱いが無いか、転職エージェントに尋ねてみることをおすすめします。
書類選考・面接について、JAXAに特化した対策を行ってもらえる。
転職エージェントは、過去に多くの転職希望者の転職を実現させているため、転職人気企業であればあるほど、その機会に多く携わっています。そのため、選考スタイルや選考プロセスについて熟知しており、ノウハウが豊富です。
どんな人なら受かって、どんな人なら落ちてしまうのか。面接でどういう質問がされ、それにどう答えれば受かり、落ちる場合は答え方がまずかったのか、答える内容自体が間違っていたのか。そのような過去実績に基づく膨大なデータを保有しています。
その根拠データやノウハウを用いて、JAXAの書類選考を突破するために、職務経歴書上でどんな内容をどんな風にアピールした方が良いのか、面接の段階では想定される複数の質問に対して、どう答えた方が良いのか、サポートしてもらえます。
さらに、面接担当者にはどんな傾向があるのか(結論から論理立てて話すようにしないと、60分の面接でも30分で終わってしまうなど。。)、求人情報ではまず触れられるはずのない情報も持っているため、転職サイトや企業サイトから応募するよりも圧倒的に有利に進められます。
なお、これは意外だと思いますが、このように転職エージェントは転職人気企業ほどパイプが太いため、仮に採用企業側が面接であなたを落とすと判断した場合でも、掛け合ってくれて通過させてくれることもあったりします。
基本的に、面接については終了後に転職エージェントに「面接終了しました。」と電話連絡を入れるステップがあります。その際、「おつかれさまでした。面接はいかがでした?」と面接の苦労を労ってもらえるとともに、「うまく答えられなかった質問はありましたか?」など丁寧にフォローを入れてくれます。その内容をもって、転職エージェントはあなたの代理となり、その後採用企業側にフォローを入れてくれるのです。
ただ、全ての転職エージェントがそういった対応を行ってくれるわけではありません。転職エージェントは良いところだけを選ぶようにしましょう。
年収など、求人企業との待遇面の交渉について代行してもらえる。
転職するうえで、重要なものの1つは年収でないでしょうか。 年収については、残業の有無と同様に面接で質問することは難しいと思います。
「年収〇万円以上」「年収〇万円~〇万円」という求人情報がほとんどですが、転職エージェントは、転職希望者の適性と過去の転職成功者の適正をマッチングして、「この人なら年収〇万円だろう」などとあたりをつけます。そのうえで、最終面接、もしくはその後に企業から実際の金額について転職エージェントに連絡が入ります。
その段階で、前もってあなたが事前に伝えていた金額よりも低ければ企業側と交渉してくれます。さらに、もしあなたが事前に伝えていた額と同等であった場合でも、それより高くならないか、掛け合ってくれるのです。
これは直接応募ではまず不可能なことだと思うので、転職エージェントに頼りましょう。
転職後に実際に配属される部署の実態について、詳しい情報を教えてもらえる。
これまで見ていただいたとおり、会社自体の情報は事前に仕入れることができても、実際に配属される部署についての情報を仕入れることは不可能に近い、というか不可能でしょう。
一緒に働くうえで、その部署の上司・同僚のタイプや新卒中途・男女の比率、他の関連部署との力関係、会社の中での位置づけなど、事前に知っておくことに越したことはありません。転職エージェントはそういった情報も保有していますので、気になることはどんどん聞いてみましょう。
併せて、気になった会社については、いろいろ悪い口コミ情報などもネットなどで見かけることがあるでしょう。そういった口コミ情報が正しいのか、間違っているのかについても、聞いてみるのが良いでしょう。
ちゅう
そもそも自分に合った会社なのか、合う場合、受かるためにどうしたら良いか、転職エージェントを味方につけるのが効率的ですね。
リアル
9.JAXAへの転職で、おすすめの転職エージェントは?
転職エージェントは有名な会社だけでも10社近くあります。
実際相手にする担当者との相性含め、当たり外れが多いのが実際のところです。登録や面談の手間、日ごろの電話・メール対応も考えると、どの転職エージェントと付き合うかについては、失敗は許されないと言っても過言ではありません。
JAXAに転職するために登録すべき転職エージェントを、以下の観点で選びました。
- JAXAの求人について、取り扱い実績がある。
- JAXAへの転職をサポートできるノウハウを持っている。
- JAXA以外の求人情報についても豊富に保有しており、そのような求人についても成功までサポートするノウハウを保有している。
これらの要素が全て当てはまる、具体的におすすめしたい転職エージェントは以下4社です。 登録自体は2~3分で済みます。無料なので費用面のリスクもありません。
|
登録すべきか |
特徴 |
リクルートエージェント |
◎ |
業界最大手。JAXAへの転職サポート実績多数。 |
doda |
◎ |
業界2番手。JAXAへの転職サポート実績多数。提案力に強み。 |
ビズリーチ |
〇 |
ダイレクトリクルーティングが活発で、職務経歴書が目につけば人事担当者が連絡してくる可能性あり。 |
ただ、この2社については最大手でもあり、他の転職希望者も多数抱えるため、対応スピードなどサポートに満足が行かない場合もあるかもしれません。それも踏まえ、『
ビズリーチ』も登録しておく方が良いでしょう。
ちなみに、登録完了後、転職エージェントから連絡が来るタイミングはマチマチです。早いところもあれば遅いところもあります。一方で、登録する内容については転職エージェントによる違いはほとんど無く、同じ作業の繰り返しです。
そのため、登録するエージェントが決まったら、一気にまとめて登録してしまう方が効率的です。
各社の特徴は、以下のとおりです。
リクルートエージェント|業界最大手・求人企業からの圧倒的な信頼度

若手からベテランまで、幅広いユーザーの転職サポート実績があります。
業界最大手のため、JAXAへの転職実績は多数あり、以下のメリットがあります。
- JAXAへの転職実績が多数あり、転職希望者へのサポートノウハウが豊富
- JAXA側からの信頼も厚く、非公開求人の充実につながっている。
JAXAへの転職に一番直結する転職エージェントと言えるでしょう。
doda|顧客満足度No.1(2022~2024年 オリコン顧客満足度®調査 転職エージェント 20代 第1位)・転職希望者に対する高い提案力

『
doda』は、パーソルキャリア(旧:インテリジェンス)が運営する顧客満足度No.1(2022~2024年 オリコン顧客満足度®調査 転職エージェント 20代 第1位)の転職エージェントです。
若手からベテランまで、幅広いユーザーの転職サポート実績があります。 非公開求人は8万件、登録者数は370万人の規模に上ります。 拠点は全国に10カ所(※)あります。 ※東京、札幌、仙台、横浜、名古屋、大阪、京都、兵庫、広島、福岡
おすすめの求人を紹介してくれる段階になると、結構絞って紹介してくれます。 また、求人企業とのやりとりは担当が別なので、求人について細かい質問をした時など、その場で回答をもらえないこともあります。当然後からきちんと回答はもらえますので、聞きたいことは遠慮せずに聞いておくべきです。
転職希望者のニーズを掘り下げてくれるため、面談時間も2時間ぐらい見ておいた方が良いでしょう。
ビズリーチ|企業の採用担当者からダイレクトリクルーティングに強み
『
ビズリーチ』は、人材系ベンチャーのビズリーチが運営する転職支援サービスです。
特徴的なのは、ダイレクトリクルーティングという概念を日本にもたらした第一人者的な存在というところです。数多くの転職希望者のデータを求人企業に公開、転職エージェントなどを通さずに企業側が直接転職希望者にアプローチできる、画期的な取り組みです。この方法を取り入れる企業は拡大する一方のようです。なお、ダイレクトリクルーティングだけではなく、多数のヘッドハンターも利用するサービスのため、転職エージェントとは違う角度で求人を入手できる機会も望めるサービスです。
リアル
10.転職エージェントを上手に使いこなすには?
ここからは、実際に『
リクルートエージェント
』『
doda』『
ビズリーチ』のいずれか、もしくは全て登録完了した後の話になります。
転職エージェントの担当者から、面談の誘いについての連絡が入ります。その後面談を行うわけですが、そこからの注意点をお伝えします。
仕事観や人生設計含め、転職エージェントに対しては、本音トークを心がけましょう。
転職希望者にとって、転職は人生を賭けた勝負です。そのため、転職エージェントとは最初から本音トークを行いましょう。隠し事はもちろん遠慮して本音を伝えないと、後から「お互い時間の無駄」になってしまいます。
求人企業との面接とは違い、転職エージェントは橋渡し役の立場になるため、「どんな会社を受けたいのか、どんな会社は受けたくないのか」「どんな仕事がしたいのか、どんな仕事はやりたくないのか」この辺は遠慮なく伝えてください。
言ってしまえば、転職エージェントにとって、転職希望者は「商品」という位置付けです。そのため、転職希望者がどんな人間なのか?もちろん初対面ですから知らないわけで、それを知ることによって、提示される求人の精度が高まります。あなたにとっても、求める求人情報以外は提示されたくないと思いますので、遠慮なく最初に本音を伝えておきましょう。
また、複数の転職エージェントを利用する場合、その旨も先に伝えておきましょう。そうすることで、他の転職エージェントに勝つために、あなたへの対応優先度が上がる可能性があります。
転職エージェントから紹介された求人情報に断りを入れる際は、次につながる断り方をしましょう。
転職エージェントとの面談時、もしくはその後日、転職エージェントからあなたの希望に合うと思われる求人情報の紹介を受けます。その際、「うーん、この会社か、あんまりいい話聞かないな。。」とか「うーん、この会社にはすごく入りたいんだけど、この仕事はちょっとな。。」と思う時が必ず訪れるでしょう。その際は、転職エージェント側の気持ちを踏まえ、以下のように次につながる断り方をしましょう。
- 断りを入れる前に、その求人情報が自分に合うと、どの点で判断したのか聞いてみる。そのうえで、自分の希望に合わない点を伝えたうえで断りを入れる。
- その会社で働いている(働いていた)知人や友人がいて、内情を聞いている限りどうしても興味が湧かない、と伝えたうえで断りを入れる。
※「ネット上での口コミを見て興味が持てない」というのは、現実性に乏しく、あまりおすすめできません。ただ、その際はその口コミ内容を伝えたうえで、実際はどうなのか聞いてみると良いでしょう。また、転職エージェントの担当者によっては、「口コミサイトは当てにならないし、見ない方がいいですよ。」とあなたに言ってくる場合もあります。そういった担当者に当たった場合は、担当者を変更してもらうことも視野に入れたうえで興味が湧かず断りたい、と意思を表示しましょう。
逆に、以下のような断り方はやめましょう。
- 理由を伝えることなく断りを入れる。
- 最初の対面時ではなく、後日メールでの紹介があった場合、そのメールを無視して返信しない。
このような対応を行うと、その後紹介される求人がガクっと減ってしまうなど、担当者にとってのあなたの対応優先度が低くなってしまい損につながります。
転職エージェントから紹介された求人情報に興味を持った場合、その求人情報の背景を把握しましょう。
転職エージェントとの面談時、もしくはその後日、転職エージェントからあなたの希望に合うと思われる求人情報の紹介を受けます。その際、「お!これはぜひ受けてみたい!」という瞬間が訪れることがあるでしょう。その際は、転職エージェントに対して、あなたがその求人に興味を持っていることを伝えるとともに、併せて以下のように質問してみましょう。
- なぜ中途社員が必要なのか(例、新しいポジションか、既存社員が辞めた埋め合わせか、業績向上による人員増強か、など)
- いつ頃から募集しているのか。
- 現時点で決まっていない理由は何なのか。
- 面接に受かる人にはどんな傾向があるのか。逆に落ちる場合はどんな傾向があるのか。
このような確認を行い、得られた情報を書類選考・面接対策に反映することで、あなたの転職成功確率が高まることでしょう。
転職エージェントの担当者と合わない場合は、担当者変更を要求しましょう。
転職エージェントから求人情報の紹介が始まった後が一般的ですが、次のような場合は担当者に直接、担当者変更を依頼しましょう。
- うまく付き合おうと努力を重ねたが、人間としての相性も含め自分とは合わない。
- 見当違いの企業ばかり紹介してくる。
- 求人情報について、担当者自身が詳細把握できていない。
- メール返信等、対応がとても遅い。
転職エージェントにとっても、避けたいのはあなたが他の転職エージェントに逃げてしまうことです。そのため、その担当者に対して、思い切って担当者変更を依頼しましょう。
その際、注意点は以下のとおりです。
- (これは必須です!)これまでサポートしてもらった感謝の気持ちを伝える。
- 転職活動に慣れていないため不安が大きく、「他の担当者の意見も聞きたい」と伝える。要するに、その担当者に外れて欲しいのではなく、別の担当者の意見も聞きたいと伝える。
このように依頼すれば、悪い印象を与えることなく、スムーズな担当者変更につながるはずです。
主導権は転職エージェントではなく、あなたにあることをしっかり肝に銘じましょう。
これが一番重要なのですが、転職エージェントと面談を行い、その後コミュニケーションを続けていく中で、あなた自身の気持ちや担当者との相性によって、
「何のために転職活動をしているのか」よく分からなくなってしまう場合があります。
転職エージェントは転職のプロとして、あなたと対等の立場で接してくることが多いです。ただ、中には「どんどん応募しないといつまでも決まりませんよ。多少希望と違ったとしても、まずは受けてみましょう」など、とにかく数をこなすよう促される場合もあります。
その際、転職エージェントに振り回されることなど決して無いよう「主導権は自分にある」ということを肝に銘じましょう。「転職エージェントと上手に付き合う」というのは、「転職エージェントを上手に使いこなす」ということです。
決して高慢な態度を出してはいけませんが、「この転職希望者にはぜひ成功して欲しい!しっかり協力しよう!」と、気持ち良く仕事をしてもらうようにしましょう。担当者もあなたと同じ人間です。「最低限のビジネスマナーを守る」「約束は守る、できない約束はしない」「なるべく早めの対応を心がける」など、普段の仕事と同様の感覚で接しておけば間違いないと言えるでしょう。
ちゅう
転職エージェントはあなたの味方なので、本音で接しつつ協力してもらうためにきちんとビジネスライクに付き合えば何の問題もないってことですね。
リアル
ここまで読んでいただいた、あなたに
JAXAへの転職について、必要な情報は全て提示しました。
転職人気企業ですが、部署によっては激務だったりと、部署単位で満足度が異なる企業という側面もあります。会社としてだけで判断するのではなく、実際どんな環境で働くのか、部署レベルまで落とし込んだ情報収集を行い、そのうえでチャレンジしてみることを強くおすすめします。
JAXAへの転職に成功するために抽出した転職エージェント
転職が実現した後、どんな人生を描けるかが本当の勝負です。
「この会社に転職してみて、確かに大変なところもあるけど、それはある程度事前に知っていたことだ。決めたのは自分なんだから頑張って続けよう。」
そういった転職が実現できるよう、少しでも力になれましたら光栄です。
ちゅう
リアル