中途採用で、NHKに転職したい、と考えている方は多いかと思います。日本を代表する放送局として、知らない人はいませんね。
転職するために、「本当に大丈夫なのか?」と情報を探してみても、転職サイトやその企業のサイトには表向きの情報しか無いのは間違いありません。また、最近口コミ系のサイトが流行っていますが、それを見てみたとしても、そのサイト自体に登録するためのハードルもあり、登録したとしても情報量が膨大で見るのも大変です。結果、本当に転職して大丈夫なのか?と思ってしまうでしょう。
その一方で、この方法なら失敗しないという唯一無二のやり方が、単純ですがあります。
このページでは、NHKへの転職について、どうしたら正確な情報を得られるか、そのうえで転職したいと思ったらどう対処すべきか、現役エージェントの知見から、NHKへの転職について触れたいと思います。
このページを読んでいただければ、NHKへの転職についての情報は一通り揃っているかと思います。あなたがNHKに転職すべきかの判断材料になり、さらに転職したいと思った場合、NHKに理想の転職が実現できる可能性が高まるはずです。
ちゅうちゅう

NHKに転職したい方向けの記事です。ちょっと長いですが、読んで損はないはずです。

リアルリアル

(NHK。うおォンうおォン。)

次章以降で詳細について触れますが、NHKへの転職についての所見をまとめます。

転職を考える際、押さえるべきNHKの特徴

  • 公共放送を行っており、視聴者からの受信料によって運営されている。
  • 部門ごとに風土は異なるが、浮ついた感じはなく落ち着いた社風。
  • 各種手当があり、福利厚生は大手企業と遜色ないレベル。
  • 中途採用で募集があるのは、記者のみとなっている。
  • 公共放送の重要性を理解し、公平・公正であろうとする人材を求めている。
  • 職種によってワークライフバランスの調整しやすさは異なり、記者、制作、報道部門は忙しい。
  • 同年代と比較すると給与は比較的高水準であり、景気に左右されにくい。

NHKへ転職するために、押さえておくべきポイント

  • 職種によっては、数年に一度の全国転勤(夏の異動)があるようなので注意が必要。
  • 一般に公開されていない求人を知るためにも、転職エージェントを使うのがおすすめ。

2.NHKってどんな会社?

項目 内容
会社名 日本放送協会(NHK)
代表者 会長 上田 良一
本部所在地 東京都渋谷区神南2-2-1
設立 昭和25(1950)年6月1日
資本金
主な事業内容 国内放送および国際放送、放送と受信の進歩発達に必要な調査研究、放送法に定められた業務など。
従業員数 1万318人(平成30年度)

事業内容

NHKの主な業務は国内放送(総合テレビ Eテレ BS1 BSプレミアム BS4K8K ラジオ第1・第2 FM)であり、最大の特徴は公共放送を行っている点です。NHKは政府から独立しており、視聴者からの受信料によって運営されています。
公共放送の中でも特に「防災・減災報道」は、NHKの最大の使命の一つです。地震・津波・台風などの災害が起きたとき、とりあえずテレビでNHK を見るという方も多いのではないでしょうか。

他に、NHKの役割として、「文化水準の向上に寄与すること」があり、一般的教養の向上を図る番組や、各種の芸能の育成に役立てる番組などを作り続けています。

今後の事業展開

2018年度から2020年度の経営計画として「NHKビジョン20152020」があります。グループ一丸となって「第一級のコンテンツ創造集団」を形成し、効率的で透明性の高い経営を実践することを目標として掲げており、以下の5つの重点方針を定めています。
<放送・サービス>
  • “公共メディア”への進化
  • 多様な地域社会への貢献
  • 未来へのチャレンジ
<マネジメント>
  • 視聴者理解・公平負担を推進
  • 創造と効率、信頼を追求
「未来へのチャレンジ」では、2020年の東京オリンピック・パラリンピックで、最高水準の放送・サービスを提供するとしています。

8Kスーパーハイビジョン

8Kスーパーハイビジョン」とは、NHKが中心となって研究開発を進めている次世代の放送メディアです。現行のハイビジョン放送の16倍にあたる3,300万画素(水平7,680×垂直4,320)の超高精細映像と、22.2マルチチャンネルの3次元音響によって、まさにその場にいるような高臨場感が実現可能です。
NHK8Kの映像と音響を体感するイベントを随時開催しており、各地放送局のロビーでも8Kを実際に体感することができるようになっています。今後も、2020年の本格普及を目指して様々な取り組みを加速していくとしています。

3.NHKは、転職者に対してどんな人材を求めている?

募集職種

現在、キャリア採用における2020年度の秋採用は募集終了となっていました。通年採用は記者だけとなっています。応募資格はシンプルに「社会人としての勤務経験がある方」となっていました。

求める人材

NHKは、できるだけ幅広い視点から視聴者に情報を提供することを目指しており、その基本姿勢となるのが、「自主・自律」、「正確」、「公平・公正」です。NHKの「放送ガイドライン」は、以下のように定めています。

NHKは、公共放送として、憲法で保障された表現の自由のもと、正確で公平・公正な情報や豊かで良質な番組を幅広く提供し、健全な民主主義の発展と文化の向上に寄与する。

この役割を果たすため、報道機関として不偏不党の立場を守り、番組編集の自由を確保し、何人からも干渉されない。ニュースや番組が、外からの圧力や働きかけによって左右されてはならない。NHKは放送の自主・自律を堅持する。

全役職員は、放送の自主・自律の堅持が信頼される公共放送の生命線であるとの認識に基づき、すべての業務にあたる。』

このメッセージから
  • 公共放送の重要性を理解し、公平・公正であろうとする人材
  • 公共放送の生命線は、放送の自主・自律が厳しく守られることであると認識できる人材
を求めていると考えられます。
学校放送番組や福祉番組など、視聴率だけにとらわれない公共放送だからこそできる番組があります。またNHKには、幅広い視聴者層に親しまれる番組、世界に通用する番組を制作し、新たな文化の育成・普及に貢献していくという理念があります。この理念に共感し、民放ではなく公共放送をやりたいという明確な理由を持っている人材を求めているとも言えるかもしれません。
NHKの採用情報ページには、社員インタビューや仕事内容などが職種別に紹介されており、若手社員の姿を様々な角度から伝える動画も配信されています。どこの部署の社員が、日頃何を考え、どのように仕事に取り組んでいるのか、人間性も含め感じることができるでしょう。あなたが興味のある事業に取り組む社員の方の意見は、書類・面接対策においても必ず目を通しておきましょう。

給料(年収)

平均年間給与:1,124万円(2018年現在)
平均年齢:41.2歳(2019年現在)
平均勤続年数:17.5年(2019年現在)

労働時間

平均残業時間:43~44時間/月
技術職では残業代は全て支給され、残業が多くならないように業務量が調整されているという意見がありました。また、働き方改革を本気で推し進めようという空気があり、有休が取りやすくなったという意見も見られました。ただ管理職以上はこの限りではなく、労働時間は決して少なくないようです。
また、ディレクターは、その期間の仕事によってかなり残業時間が変動するとのことです。職種によっては昼夜の境なく働かなければならない時もあり、選挙や取材などがあって、土日に必ず休めるわけではないという意見もありました。
報道の場合、休日でも自宅周辺で待機していることが暗黙の了解で期待されているということなので、会社で仕事をしていなくても拘束されている感があるようです。
ちゅうちゅう

公共放送の重要性を理解し、公平・公正であろうとする人材を求めているようですね。現時点で、中途採用の募集は記者のみとなっているようなので注意が必要です。

リアルリアル

(いいじゃないか。)

4.NHKの求人情報にはどんな傾向がある?

転職サイトを各種調べたところ、NHKの求人は見つかりませんでした。そこで、NHKの採用情報ページを確認したところ、キャリア採用における2020年度の秋採用は募集終了となっていました。記者は通年採用となっており、応募受け付け中となっています。
ただ、これはあくまで一般に公開されている求人であり、非公開の求人というものがある可能性があります。
例えば、転職エージェントのdodaの場合、非公開求人が公開求人の3倍以上の規模に上るため、doda非公開求人の方には他の技術系・事務系職種も含まれている可能性があります。
ちゅうちゅう

現時点で、転職サイトにて公開されている求人はありませんが、隠れ求人の存在は気になるところです。

リアルリアル

(いわゆる裏メニューってやつか。悪くない。)

5.NHKの現役社員・元社員からの評判は?(口コミ)

口コミや内部情報を以下にまとめました。新卒入社と中途入社では当然差があることを踏まえ、中途入社した人のみの内部情報です。
※参照元:OpenWork、enライトハウス、転職会議、キャリコネ他

項目 コメント
給与・福利厚生
  • 年功序列の給与体系で、毎年昇給する。
  • 昇給幅は小さい。
  • 残業代に支えられている部分が大きい。
  • 福利厚生は大手企業と同じレベル。
ワークライフバランス
  • 職種によってはバランスを保つのは難しい。
  • 部署にもよるが、基本的に激務。
  • 管理系はバランスを調整しやすい。
  • 近年の働き方改革により、ブラック度は激減している。
社風
  • 公務員らしい堅さとテレビ業界らしい緩さが混在する。
  • 部署によってカラーが違う。
  • 古い文化が引き継がれている。
  • テレビ業界のような、華やかさや浮ついたところがない。
成長機会・キャリア開発
  • 質が高いものを求められる中で、大きく成長できた。
  • 優秀な先輩・同僚の仕事ぶりを身近に知ることが出来た。
  • 本人次第で、積極性を買われればチャンスはある。
  • 時事問題に詳しくなり、情報感度が上がった。
入社後のギャップ
  • 全国転勤は思った以上にスパンが短く、かつ不規則である。
  • 部門により、忙しさの差が大きい。
  • 大組織であり、良い意味でも悪い意味でも人材が豊富。
  • どんなに優秀でも、出世は記者中心、さらに政治部中心。
退職検討理由
  • テレビというメディアに対する将来性への不安から。
  • 数年に一度の全国転勤が辛い。
  • 長時間労働などにより、プライベートに支障が出たから。
  • 社会全般に通用するスキルを身につけたかったから。
ワークスタイル
  • 体調管理を徹底し、発熱などある場合は出局しない。
  • 出局が不可欠でない場合は在宅勤務(テレワーク/リモートワーク)を推奨。
  • 全ての現場でマスク着用・手洗い・手指の消毒の徹底、3密を避ける。

給与・福利厚生

給与は基本給と残業代で構成されていて、基本給は成果に応じて毎年昇給していくようです。残業代は働けば働くだけ支給されるが、昨今の働き方改革で残業代を抑制する方向に進んでいるため、相対的に給料が下がってきているという意見がありました。また、給与は比較的水準も高く景気に左右されない面があるが、同業他社と比べて200万円から300万円ほど安いと感じるという意見もありました。
福利厚生に関しては、昔に比べればいろいろと削られ続けているが、住宅手当、家族手当、出張手当、泊まり勤務手当、多額の退職金など大企業の中でもかなり上位の好待遇という意見がありました。

ワークライフバランス

職種により、ワークライフバランスの調整しやすさは大きく異なるようです。記者、制作、報道部門はプライベートを犠牲にする局面が多いが、管理系はバランスが調整しやすいとのことです。
有休に関しては、取れないという意見と比較的取りやすいという意見が両方ありましたので、部署によって異なると言えそうです。ただ年に一回、平日5連休を取ることが義務付けられているので、長期休暇は取れるようです。

社風

極めて幅広い職種が存在し、かつ職種別の採用・育成が行われるので、部門ごとに風土がまったく違い、別の会社並みに距離があるという意見が多くありました。
また、公務員らしい堅さとテレビ業界らしい緩さが混在する会社であり、テレビ局特有の華やかさが少なく職員も浮ついたところがなく働きやすかったという意見もありました。

成長機会・キャリア開発

とにかく貪欲に学び取ろうとする姿勢が大事という意見がいくつかありました。チャンスは無限大にあるから、行動できる人間はぐんぐん伸びていくと感じている方もいらっしゃいました。海外出張も機会あれば、希望が叶うこともあるようです。
他に、成長やキャリアには直接繋がらないがNHKに在籍したという実績だけで、どこの会社の面接にも呼ばれるようになったという声もありました。

入社後のギャップ

ハードに働く人とのんびり働く人と、同じ会社の中でも非常に差があるという意見がありました。報道制作部門は概ねハードワークであり、できる人に仕事が偏るという声もありました。
他に、休みの日でも自分の管轄外へ出るときは上司の許可が必要なのでプライベートが保てないという情報がありました。ただ、これはNHKに限ったことではなく、記者の方に特有の制限のようです。

退職検討理由

数年に一度の全国転勤が辛く、生活設計が立てにくいという意見が複数ありました。4月異動ではなく夏の異動なので、保育園や学校などの手続きが大変だという意見もありました。
番組制作の方では、仕事がとてもハードだったからという理由がありましたが、逆に営業の方では毎日が退屈で退職を検討したとあったので、部署による業務量の差は大変大きいようです。

ワークスタイル

これまで、働き方改革で推奨されつつもあまり広がっていなかった在宅勤務(テレワーク/リモートワーク)が、新型コロナ感染拡大により、一気に広がったという口コミがありました。リモートワークは自宅以外にも、都内に何カ所かあるサテライトオフィスで行うことが可能です。